無償の根拠は、憲法26条だ。これは教採に出題される憲法の条文のなかで、最も出題頻度・重要度が高いものである。
(日本国憲法第26条第2項)
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
この条文には何が無償なのかまでは書いてないのだが、なんかの最高裁判決で「授業料のこと」と解釈されているそうだ。つまりそれ以外の費用、鉛筆とか給食費とかいったものはタダではない。
ちなみに教科書については義務教育では無料なのだが、これは教科書無償法とかいう法律によるもので、憲法から導き出されるものではない。
では演習。
(演習)次の文の正誤判定をせよ。
(1) (日本国憲法について)義務教育については、これを無償とすることが規定されており、その範囲は授業料を徴収しないことだけでなく、教科書及び補助教材の費用も含まれると解されている。
→(誤)補助教材が完全にアウト。補助教材はタダではない。また、教科書も憲法によってタダとされている訳ではない。憲法から言えるのは、授業料がタダということだけ。
前回の記事の「学問の自由があるからなんでも自由に教えてOK」系の誤り文と同様に、今回の「義務教育だからなんでもかんでもタダ」系の誤り文もときどき出題されている。
今回はここまで。おつかれさまでした。