【解説013】学校の設置義務。小中は市町村、特別支援は都道府県

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今回は学校の設置義務、設置等の認可者についてを扱う。

まず設置義務について。 小学校と中学校、そして特別支援学校の小学部・中学部は義務教育を行う学校ということで、当然、行政側に設置する義務がある。そしてその義務は以下のように役割分担がなされている。

 
小中・特別支援の設置義務者

小学校や中学校→市町村

特別支援学校の小中学部→都道府県

(市町村や都のホームページを見ると、小学校中学校のほとんどが(区)市町村立であるのに対し、特別支援学校のほとんどが都立であることがわかる)



続いて、義務としては定めれれていない者が学校を設置等する場合の認可について。公私立の大学、市町村立の高校、私立の高校以下の学校については次の者が認可することになっている。

 

(学校教育法第4条の要約)

学校の設置廃止、設置者の変更などは、次の者が認可する。

学校教育法第4条の中身をまとめたのが次の表である。

学校の種類 認可者
公私立の大学、高専 文部科学大臣
市町村の設置する高校、中等教育学校及び特別支援学校 都道府県の教育委員会
私立学校 都道府県知事

公立学校の教採で大学や私立学校のことが出る可能性は低いと思われるので、二番目の「市町村の設置する高等学校等→都道府県教育委員会が認可」だけ覚えておけばよいと思われる。なお、市町村が設置する小中学校は認可を受ける必要はない(設置するのが義務なので。なお、届出は必要)。また、都道府県が設置する高校については特に認可を受けないといけないという文言は見当たらなかった(都道府県教育委員会が自分で責任を持って設置してねということだろうか)。

では演習。



(演習) 次の文の正誤判定をせよ。

(1) 都道府県は、学齢児童・生徒を就学させるために必要な小学校及び中学校を設置する義務を有する。

→(誤)小中の設置義務は「市町村」である。

(2) 都道府県及び区市町村は、その区域内にある学齢児童及び学齢生徒のうち、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者を就学させるために必要な特別支援学校を設置しなければならない。

→(誤)どさくさにまぎれて冒頭に「区市町村」とあるが、「区市町村」にある義務は小中の設置だけで、特別支援の設置義務はない。なお、特別支援学校に関する内容は今回は深くは扱わない。



(3) 区市町村立の設置する高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の設置廃止、設置者の変更は、文部科学大臣の認可を受けなければならない。

→(誤)市町村が設置する高校等の設置等の認可は都道府県教育委員会が行う。

ちょっと今回のテーマからはずれるが、公立学校の定義と学校の設置基準についても扱っておく。

(4) (学校教育法で)公立学校とは、国及び地方公共団体の設置する学校をいう。

→(誤)学校の設置主体は国か、地方公共団体か、学校法人の3パターンで、それぞれ国立学校、公立学校、私立学校と呼ばれることになる。「国」が設置する学校は公立学校ではなく国立学校のため、上の文は誤りとなる。

国が設置→国立学校

地方公共団体が設置→公立学校

学校法人が設置→私立学校

大学の場合は国立と公立を二つをまとめて「国公立」ということが多いですね。

最後に、学校の設置基準についても触れておく。

(5) 学校を設置する際の設備、編制その他に関する設置基準は、学校の種類に応じ、地方公共団体が定めている。

→(誤)自治体ごとに学校の設置基準が異なるのはよろしくないですよね。学校教育法3条で文部科学大臣が定めるとされています。

今回は以上。お疲れ様でした。

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