【易しめ解説14】環境か遺伝か?4人の重要人物

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人の発達で「環境」の要素が大きいのか、「遺伝」の要素が大きいのかに関する話題です。

どちらかがより重要だという説

環境優位説……ワトソン

成熟優位説……ゲゼル

ワトソンは行動主義心理学の創始者で、人間内部の「こころ」よりも外に現れる「行動」を重視し、環境によって人間の内面を変えることもできると考え、環境優位説を提唱しました。



それに対し、ゲゼルは双子の赤ん坊の実験で、階段の登り降りの訓練から、遺伝的要素を重要視し、成熟優位説を唱えました。

どちらも重要だという説

輻輳説…………シュテルン

環境閾値説……ジェンセン

 

シュテルンの輻輳(ふくそう)とは単純化して言えば集まってくるということで、環境も遺伝的要素が加算的に発達に影響するという意味になります。

ジェンセンの環境閾値説も環境と遺伝的要素の両方を重視していますが、それに加え、身体の成長、知能など各特性ごとに、成長が進むための環境条件が異なることを示しました。例えば絶対音感が身につくためにはきわめて高い環境条件が必要であることが挙げらています。

(演習)

1つ扱います。

(演習1)

次の各文章は、発達の要因について述べたものである。[ ア ]〜[ エ ]に当てはまる人名の組合せとして最も適当なものを、選択肢から選びなさい。(2012年実施39)
(1) [ ア ]は、発達において成熟の要因を重視した。一卵性双生児の兄弟に階段のぼりの訓練を実施し、学習を成立させるためには個体の側の準備状態(レディネス)が整う必要があると考えた。そして、レディネスの形成要因として成熟を重視した。
(2) [ イ ]は、発達において遺伝的な要因より生後の経験による学習の影響を重視した。発達は習慣の形成、すなわち刺激(環境)と反応の連合であると考えた。発達における環境要因の重要性を示しているのが、アマラとカマラの野生児の研究である。
(3) [ ウ ]は、発達的変化は遺伝的要因と環境的要因の加算的影響を受けると提唱した。すべての特性は遺伝的要因と環境的要因の加算的な働きによるもので、両者の相対的な強さは特性によって異なると考えた。
(4) [ エ ]は、人間の資質が発現するためには環境の影響が必要であるが、どの程度環境の影響を受けるかは、特性によって異なると提唱した。各特性の発現には遺伝的要因と環境的要因の両方が必要であり、どちらか一方が優位に働くわけではないと考えた。
【選択肢】ゲゼル、ワトソン、シュテルン、ジェンセン

(解)

[ア]→ゲゼル、[イ]→ワトソン、[ウ]→シュテルン、[エ]→ジェンセン

今回はここまでです。

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