学齢簿というのは、学齢児童(小学校に通うべきこどもと考えてOK)の名簿のこと。
この学齢簿というものを教育委員会の方が作るのだが(学校教育法施行令第5条)、時期としては入学前年の10月1日から10月31日の間ということになっている(学校教育法施行令第2条、施行規則第31条)。入学の約半年前から動いているわけだ。
なお、法律の文面では10月という表現ではなく、入学の5月前(ごつきまえ、5ヶ月前という意味)という表現になっている。素人からするとはじめから「10月」とかけば分かりやすいのに、と思うのだが、この辺は法律の世界でのしきたりなんかがあるのだろう。
学齢簿の作成の後にはだいたい11月ごろに就学前の健康診断があり、年があけてしばらくすると、あなたは〇〇小学校へ行きなさい、と教育委員会が保護者へ通知を出す(通知の中に、入学前の説明会の案内があることが多いようです)。通知の期日は1月31日までである(学校教育法施行令第5条)。これも法律の文面では1月31日までという表現ではなく、入学の2月前(につきまえ)まで、というまわりくどい表現になっているので注意。
手続きの流れについて、イメージをもつためにも、住んでいる自治体のサイトを見てみるとよいだろう。以下リンクは千代田区のもの。
では、演習。
(演習)次の文の正誤判定をせよ。
(1) 校長は、区域内に住所を有する学齢児童及び学齢生徒について、保護者の申請に基づいて、学齢簿を編成しなければならない。
→(誤)いろいろおかしい。学齢簿を作るのは「市町村の教育委員会」。学齢簿はどこの小学校に振り分けるのかを決めるためのデータになるため、市町村全体の児童の把握ができる立場である、市町村の教育委員会がやるに決まっている。校長がやるわけない。また、学齢簿は自治体が持っている住民基本台帳というデータから作成される。保護者の申請で作るものではない。
では2問目。
(2) 校長は、当該学校の区域内に住所を有する就学予定者について、その保護者に対し、翌学年の初めから二月前までに、小学校又は中学校の入学期日を通知しなければならない。(2013年実施)
→(誤)主語がダメ。校長ではなく、「市町村の教育委員会」。「二月前」を「三月前」に取り替えたり、いろいろ誤りのパターンが作れる問題なので時期に注意しよう。
今回は以上。おつかれさまでした。