きょうさい対策ブログ

教員採用試験(教採)の対策をまとめます。教職教養解説もあり。

【解説006】就学させる義務は6歳〜15歳に発生する。年齢で決まっている。

今回はこれ

就学させる義務は6歳〜15歳に発生する。年齢で決まっている。

 

日本国憲法第26条によって、こどもには義務教育を受けさせなければならないとなっている。

(日本国憲法第26条第2項)

すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 義務教育を受けさせなければならない期間は、この記事のタイトルにもあるように、年齢で決まっている。世間一般には「義務教育=小学校と中学校」と学校のくくりとして認識されていることが多いが、法律上は「義務教育=6歳〜15歳」と、年齢で決まっているのだ。

(学校教育法第16条)

保護者は、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う。

 

(学校教育法第17条)

保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。

 保護者は、子が小学校の課程、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中等部に就学させる義務を負う。

第17条に「満◯歳に達した日の翌日以後における〜」などという謎の言い回しが登場するが、これを理解するためにはいつ年齢が増えるか、という知識があるとよい。 

 

例えば12月15日が誕生日の場合、ふつうは12月15日に歳が増えると考えるだろうが、法律上は少し違う。法律上は、歳が増えるのはその前日の24時とされている。つまり12月15日が誕生日の人はその前日の12月14日の24時に歳をとることになっているのだ(12月14日の24時は12月15日では?という疑問は封印を)。

 

なぜこんな訳のわからない決まりにしているのか理由はわからないが、おそらくうるう年のうるう日(2月29日)に生まれた人が法律上でも毎年歳を取れるための措置なのかも?(その解説をするのはこのブログの目的ではないので、興味のある人は自分で調べて見てください)。

 

では、歳が増えるタイミングについての話をしたところでもう一度学校教育法17条にもどり、ちょっとした確認をしてみよう。

(学校教育法第17条)

保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。

では確認。この17条によると、誕生日が4月1日の子どもが平成30年4月1日に6歳を迎える場合、小学校に入学するのは平成30年度の学年か?それとも平成31年度の学年か?

 

→正解は、平成30年度の学年である。4月1日が誕生日ということは前日の平成30年3月31日の24時に満6歳になっているため、「満6歳に達した日の翌日」は平成30年4月1日で、それ「以後における最初の学年の初め」は平成30年4月1日ということになる。ちなみに「学年」は4月1日から3月31日まで、と法律でも決まっているので、念のため。

 

では今度は誕生日が4月2日生まれの子どもが平成30年4月2日に6歳を迎える場合、小学校に入学するのは平成30年度の学年か?それとも平成31年度の学年か?

 

→正解は、平成31年度の学年である。4月2日が誕生日ということは前日の平成30年4月1日の24時に満6歳になるので、「満6歳に達した日の翌日」は平成30年4月2日で、それ「以後における最初の学年の初め」は平成31年4月1日ということになる。平成30年4月2日時点では平成30年度の学年の初めの日(4月1日)がもう終わっているので、次の学年にまわってくださいということになるわけだ。

 

学年は4月1日〜3月31日だが、その学年に属する児童の誕生日は4月2日〜翌年4月1日と1日のズレが生じるのはこの法律を適用した結果なのである。

 

ごちゃごちゃかいたが、就学させる義務があるのは年齢(満6歳〜12歳が小学校、〜満15歳までが中学校)で決まっていて、法律上の表現が「満○歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから〜」と独特な表現になっているということは知っておこう。

 

では演習。

(演習)次の文の正誤判定をせよ。

(1) 保護者は、子が中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程または特別支援学校の中学部の課程を修了するまで、就学させる義務を負う。(2009年実施 改題)

→(誤)ひっかかってはないだろうか?正しそうに見えるが、就学させる義務がある期間は「年齢」で決まっている。中学校を修了するまでではなく、「満15歳に達した日の属する学年の終わりまで」と「年齢」で決まっているのである。2011年にも「中学校の全課程を修了するまで」と誤りの文が登場している。なお、義務教育学校(2016年からスタート)や中等教育学校(1999年からスタート)などの言葉に馴染みがない方はこちらの記事を参考にするとよい。

【解説012】正規の学校は幼・小・中・高・大と、2校種を結合した義務教育学校、中等教育学校、高等専門学校、そして特別支援を加えた合計9校 - きょうさい対策ブログ

 

 

(2) 保護者が子を小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務は、子が満12歳に達した日の属する学年の終わりまでにその課程を修了しないときは、満18歳に達した日の属する学年の終わりまでとしている。(2012年実施 改題)

→(誤)そんなケースもあるのかな?と不安になるかもしれないが、就学させる義務期間が伸びることはない。あくまで「満15歳に達した日の属する学年の終わりまで」である(同様の誤り文が2013年にも出題)。なお、15歳を超えても、諸々の事情で中学校等に通っているケースもあります。

 

(3)学校教育法では、保護者は、子の満6歳に達した日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負うとされている。(2014年実施 改題)

→(誤)これはいやらしい出題だが、「子の満6歳に達した日以後」ではなく「子の満6歳に達した日の翌日以後」が正しい。「翌日」抜けの誤り文である。細かすぎて作問者が嫌になりそうである。

 

最後に早期入学に関する問題。

 

(4) 学校教育法では、特別の事情があり当該区市町村教育委員会が認めた場合は、学齢に達しない子であっても小学校に入学させることができるとされている。(2014年実施)

→(誤)これも、え!そんな制度あるの!と思い不安になるかもしれないが、このような制度はない。小学校に入学するのはあくまで「満6歳」からである。

 

就学義務はとにかく年齢である。正しく理解し、誤りの文を自信を持って削れるようにしよう。

 

今回は以上。おつかれさまでした。