【解説014】「特別支援学級」や「通級による指導」はほとんどの学校で設置できる

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今回は特別支援教育に関する教育機関・制度として3つの形態があることと、特別支援学校の設置基準について扱う。

特別支援教育に関係する教育機関や制度

特別支援教育に関係する教育機関や制度として、

・「特別支援学校」…独立した学校

・「特別支援学級」…小学校等の施設内に設置

・「通級指導教室(通級による指導)」…一部の科目等で取り出して特別な指導を行う

の形がある。今回は特別支援教育そのものには深く立ち入らずに、上の教育機関の設置についてのみ扱う。



2018年4月より、高校でも通級による指導の制度が導入されるようになった。これにより、「特別支援学級」や「通級による指導」が高校以下の学校すべてに設置できることになった。

・「特別支援学校」…独立した学校

・「特別支援学級」、「通級指導教室(通級による指導)」…高校以下の学校に設置可能

(なお、高校以下の学校とは、小・中・義務教育学校・高・中等教育学校のことである。また、もう少しきちんと言うと、教育機関ごとに対応する障害の種類は異なる。関係法令で例示されているものに◯をつけたのが以下表。)

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特別支援学校の設置は柔軟

特別支援学校の小学部・中学部は都道府県に設置義務がある、というのは前回記事で扱った通りであるが、その他の設置の際の決まりについて。

 

特別支援学校の設置関係(学校教育法)

第76条 特別支援学校には、小学部及び中学部を置かなければならない。ただし、特別の必要のある場合においては、そのいずれかのみを置くことができる。
2 特別支援学校には、小学部及び中学部のほか、幼稚部又は高等部を置くことができ、また、特別の必要のある場合においては、前項の規定にかかわらず、小学部及び中学部を置かないで幼稚部又は高等部のみを置くことができる。
第78条 特別支援学校には、寄宿舎を設けなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。

上文言はどれも、「〜しなければならない。…でも事情があればしなくてもよい」という感じ。文言を細かく覚えていなくても、特別支援学校の場合の設置に関する決まりはある程度柔軟、という点だけ覚えておけば良いだろう。なお、寄宿舎の制度は児童生徒によっては通学が困難な場合もあるだろうから、という考えによるものである。



 演習

では3問ほど演習。

(演習) 次の文の正誤判定をせよ。

(1) 小学校及び中学校以外には、知的障害者に該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができない。

→(誤)特別支援学級は小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校と小学校〜高校の間のどの学校にも置くことが可能。

(2)特別支援学校には、いかなる場合にもおいても小学部及び中学部を置かなければならず、小学部及び中学部を置かないで幼稚部または高等部のみを置くことはできない。

→(誤)柔軟に置くことができます。

(3) 特別支援学校には、寄宿舎を設けなければならないが、特別の事情のあるときは、これを設けないことができる。

→(正)柔軟に置かないこともできます。特別支援関係でこうでなきゃダメ!というのは少ないです。

特別支援教育そのものの内容は以下の記事で扱っているので参考にどうぞ。

【解説081】特別支援教育関係。発達障害4種類(自閉症、高機能自閉症、学習障害(LD)、ADHD)。その他知識(委員会、コーディネーター、個別の教育支援計画など) – きょうさい対策ブログ

今回は以上!おつかれさまでした。

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