「総合教育会議」は、 2015年度にできた制度で、首長(知事など)が教育行政に関われるように、という趣旨で行われるようになった会議である。
・首⻑が招集
・会議は原則公開
・構成員は首⻑と教育委員会
・会議を経て、教育行政の「大綱」の制定などが行われる。
ところで、教育基本法第17条を受けて、各教育委員会は、地方版「教育振興基本計画」を制定している(例えば東京都であれば「東京都教育ビジョン」)。
目指す教育の方針を示すという意味で、この地方版「教育振興基本計画」と、教育行政の「大綱」は若干役割が被っている。
自治体によっては、地方版「教育振興基本計画」を「大綱」の代わりにしているところもあるようである。
(いっそのことどの自治体も一本化した方がすっきりしていいんじゃね?と思うのですが…)
整理。
・総合教育会議によって作られる「大綱」
・教育基本法第17条が根拠の「教育振興基本計画」(都は「東京都教育ビジョン」という名称)
ここで、教育委員会内の(総合教育会議ではないほうの)”通常の”会議についても書いておく。
・教育⻑が招集
・会議は原則公開
・原則として教育⻑及び在任委員の過半数が出席で会議を開く
・議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、教育⻑が決する
では演習。
(演習) 次の文の正誤判定をせよ。
(1) 教育委員会の会議は、公開しない。ただし、人事に関する事件その他の事件について、教育⻑又は委員 の発議により、出席者の 3 分の 2 以上の多数で決議したときは、これを公開することができる。
→(誤)会議は原則公開。
(2) 教育委員会の会議の議事は、在任委員の過半数で決し、可否同数のときは、教育⻑の決するところによる。
→(誤)「在任委員の過半数」でなく「出席者の過半数」である。
(3) 総合教育会議は、教育⻑が招集するが、当該地方公共団体の⻑は、その権限に属する事務に関して協議 がある場合においては、当該地方公教団体の教育⻑に対し総合教育会議の招集を求めることができる。
→(誤)総合教育会議は教育長ではなく首長が招集。首長が教育行政に対して関与する機会という点を覚えておきたい。
(4) 教育⻑は、国の教育振興基本計画を参考にして、当該地方公共団体の実態及び児童・生徒の実態に応 じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めなければならない。
→(誤)「大綱」は首長が定める。例えば東京都の大綱の最初の方には、東京都知事の言葉があるので見ておくとよいだろう。
今回は以上。お疲れ様でした。