【解説072】投影法による性格検査その2。未完成の文章を完成させる文章完成テストSCT、家と木と人を描くHTPテスト、絵から空想の物語を作る主題統覚検査TAT

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性格検査のうち投影法であるもの、その2。今回はアルファベット3文字で略される紛らわしいものを集めた。アルファベットの略称のまま覚えようとすると大変なので、英語に一旦直して覚えることをおすすめする。

未完成の文章を完成させる文章完成テストSCT

タイトルのまんまである。被検査者に完全でない文章の書き出しを提示し、その続きを自由に補って完成させる性格検査。忘却曲線で有名なエビングハウスが開発したのがはじまりと言われている。文章完成テストという名前だと内容が明らかすぎるので、その略称のSCT(Sentence Completion test)が問われることもある。あわせて覚えよう。



家と木と人を描くHTPテスト

HTPはHouse-Tree-Person の頭文字をとったもので、家・木・人を描かせるもの。前回のバウム・テストは木のみを描かせるものであったが、このHTPテストでは家・木・人の3つを描かせるのが特徴である。被検査者の自己像、感受性、成熟度、柔軟性、知能機能、外的世界とのかかわりについての情報を得ることができるとされる。

複数の絵から空想の物語を述べる絵画統覚検査TAT

18枚の絵画を順に用いて、そこから想像される物語を述べるテスト。マレーによって開発された。絵画統覚検査以外にも主題統覚検査という言い方もあるが、都の教採では前者の方を採用しているようなのでそちらで覚えておこう。TATはThematic Apperception Testの略(これは英語が難しいのでそのままお覚えてもいいかも)。対人関係的な情報が得られるということである。

(くだらない覚え方だが、TATは泣いている顔文字に見えるので、絵を見て(感動する)物語を作るテスト、と覚えてはいかがでしょう。はい。)



では演習。

(演習)

次の(   )内に入る適切な語句を、次の選択肢の中から選べ。

【選択肢】SCT, HTP, TAT

(1) (    )は、投影法に分類される心理検査で、主に人物を含んだ多義的な絵を被験者に見せ、その絵に関する物語を想像させ、それを分析して、人格特性や内的状態を診断するものである。

(2) (    )テストでは、被験者に家屋、樹木、人物を紙に描かせる。人物画には、心理、社会的水準という表面的なところでの被験者の適応度が投影され、樹木画には、基本的、永続的なより深い心の中の自己への態度が示され、家屋画には、家族関係と家庭生活についての態度や感情が現れる。

(3) (     )では、未完成の文章を刺激素材として、そこから連想される内容を記述し、文章を完成させる。被検者のパーソナリティに関して、環境適応に必要な能力を知的側面として測定し、論理的な考え方や現実に即した考え方ができるか否か、どの程度先を見通す能力を備えているのかなどが評価される。

(1) →TAT(絵画統覚検査)  (2) →HTP (3)→SCT(文章完成テスト)

今回は以上 !

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