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【解説078】学習理論。有意味受容学習…関連付けを重視、プログラム学習…小分けにされた学習内容を個別学習 バズ学習…グループ討議と全体討議を繰り返す

今回はこれ。

学習理論。

有意味受容学習…関連付けを重視

プログラム学習…小分けにされた学習内容を個別学習

バズ学習…グループ討議と全体討議を繰り返す

イエナ・プラン…学年別学級の廃止

 

今回は教育史の中で紹介しきれなかった教育方法について扱う。

 

何度も出題されていて過去問に素材がたくさんあるので、実際に出題された文からそのまま学んでいこう。

 

関連付けを重視した有意味受容学習

14年分の過去問で4回登場。ある年の過去問では次のように説明されている。

オーズベルが提唱したもので、教師が知識を提供するとき、学習者の内部にある認知構造に関係づけるように学習させる方法のこと。(2014年実施14)

「有意味」に生徒が学習内容を「受容」するために、生徒がすでに持っているものと関連付けることが大事だと言ったわけだ。2017年は具体的な例で出題された。

(有意味受容学習の例)

小学校第6学年の担任であるA教諭は、国語の「読むこと」の学習において、尾括型の説明的な文章を教材として用いて、筆者の主張を把握することをねらいとした学習指導を行った。A教諭は、この学習の導入で、文章の構成や、筆者の主張が述べられている箇所を児童に把握させるために、新聞のコラム欄の短い記事を提示した。そして、この新聞記事が「序論-本論-結論」という文章構成になっていることや、「結論」部分に筆者の主張が述べられているということを説明した。その後の学習で、児童は、新たに提示された説明的な文章の構成と、先に学習した新聞記事の文章の構成とを関連付けることができ、説明的な文章の中の筆者の主張を的確に把握することができた。(2017年実施11)

ここでも関連付けが大事であるとされている。繰り返しになるが、有意味受容学習は生徒の知識との関連付け学習なのだ。

 

 

小分けにされた学習内容を個別で学習するプログラム学習

過去問では次のとおり。

プログラム学習とは、スキナーによって提唱されたもので、学習内容をできるだけ細かく分割し、児童・生徒にとって容易に、また着実に学習系列をたどれるように教材を系列化した個別の学習のことである。(2012年実施13)

学習内容をできるだけ細かく分割というのはスモールステップの原理ともいえる。個別に学習を進めていくという点も特徴的。系統的な映像教材をスマホで観て自習学習するのもプログラム学習の一種といえるだろう。

 

グループ討議と全体討議を繰り返すバズ学習

バズ=buzzとは、激しく動き回るとか、蜂がブンブン飛ぶとか、騒がしい様子を表す単語。SNSなどで情報が広まって流行ることを「バズる」というが、情報が拡散して騒がしくなることからそういう表現をするのだろう。

バズ学習では集団を6人程度のグループに分けてそれぞれ6分間の話し合いを行い、その結果を持ち寄って全体討議をするという流れで進められる。当然のことながら討議中教室は(いい意味で)騒がしい状態になることからバズ学習と名付けられたようだ。

過去問では次のように説明されている。

(バズ学習とは)フィリップスが考案したもので、6人程度のグループに分かれて、グループごとに6分間の話し合いをし、その結果を持ち寄って、全体討議をし、また、必要に応じてグループ討議をするという方法で進められるものをいう。(2013年実施14)

 

学年別学級を解体するイエナ・プラン

 イエナ大学教授であったペーターゼンが提唱。日本の教育システムでは多くの場合、年齢によって学級が分けられるが、その枠を取っ払い、異年齢の様々な子どもがいる集団の中で教える・教えられる両方の経験をさせる。オランダで非常に進んでいるシステムのようである。

 

では演習。過去の記事に登場した内容も混ぜて出題。

 

(演習)

次の文の(   )内に当てはまる語句を次の選択肢の中から選べ。

【選択肢】問題解決学習、有意味受容学習、プログラム学習、完全習得学習、バズ学習、発見学習、イエナ・プラン

(1) (     )は、デューイの理論などによるもので、児童・生徒の生活で生ずる具体的問題をとらえて、それを単に理解するというのではなく、主体的に解決していく中で学び取らせる学習指導の形態ないし方法をいう。(2013年実施14)

 

(2) スキナーの考案したものとクラウダーの考案したものがあり、ティーチング・マシンなどによって、学習者に原則として個別学習をさせながら、事前に定めた行動目標まで確実に学習者を到達させようとする学習方法を(     )という。(2013年実施14)

 

(3) オーズベルにより提唱されたもので、学習すべき内容を学習者がすでにもっている認知構造(知識体系)に関連づけて学習させる学習方法のことを(     )いう。(2013年実施14)

 

(4)(    )とは、異年齢や特別支援を必要とする子供を含む学級を構成し、子供同士の経験によって学習した内容を身に付けさせるという学習指導の方法である。(2018年実施11) 

 

(5) (     )とは、全体を6名程度の班に分け、共通のテーマについて自由に討議させた上で、最後に班ごとの結果を全体に発表し、共有する討議法を、学習指導に応用したものである。塩田芳久が提唱した。(2015年実施15)

 

 

 

(解)

(1) →問題解決学習 (2) →プログラム学習 (3) →有意味受容学習 (4) →イエナ・プラン (5) →バズ学習

 

 

 

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(補足)

問題解決学習のデューイについては以下の記事をどうぞ。

【解説053】1900年またぎでヘルバルト派から子ども中心の流れへ。児童中心主義のエレン・ケイ、実験学校を作ったデューイ - 東京都の教職教養 過去問対策ブログ

 

 

完全習得学習は教育評価で有名なブルームによるもの。過去問では以下の通り。

学級で、児童・生徒が同じペースで学習を進めようとすると、習熟の差が生じる。こうした状態に対して、一斉学習が可能な枠組みをモデル化した学習指導の方法が完全習得学習である。
この完全習得学習の方法は、次のような手順で実施される。教師は、各学習単元で達成すべききょういく目標を明確にして、児童・生徒一人一人の到達すべき最低の基準を決定する。単元又は小単元などのひとまとまりの学習内容を一斉指導で終えた後、児童・生徒一人一人の到達度を明確にするため、形成的評価を実施して、目標が未達成の場合には、再学習や補充学習を行い、既に学習が成立している児童・生徒には、一層の定着を目指した学習や発展学習を行う。このようなサイクルを経て一定の学習指導が修了した段階で総括的評価を実施する。(2016年実施12)

診断的評価・形成的評価・総括的評価を上手に使いながら指導すればより確実に習得させることができるぜ!って言っているわけだ。

ブルームの教育評価については以下の記事もどうぞ。

【解説076】ブルームの教育評価、実施の時期により分類。診断的評価、形成的評価、総括的評価。 - 東京都の教職教養 過去問対策ブログ 

 

 

なお、問題文には登場させませんでしたが、発見学習はブルーナーによるもの。科学上の発見と同様の思考過程を子供たちにたどらせることにより知識を獲得させようとする方法である。ブルームと非常に名前が紛らわしいので注意。ブルーナーの紹介は以下の記事で行なっている。

【解説055】デューイ思想の継承者3人。プロジェクト・メソッドのキルパトリック、「個」重視ドルトン・プランのパーカスト、「個と集団」両方重視ウィネトカ・プランのウォッシュバーン - 東京都の教職教養 過去問対策ブログ

 

 

今回は以上!