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【解説081】特別支援教育関係。発達障害4種類(自閉症、高機能自閉症、学習障害(LD)、ADHD)。その他知識(委員会、コーディネーター、個別の教育支援計画など)

今回は特別支援教育関係を少し。

特別支援教育関係。発達障害4種類の整理を。その他知識(委員会、コーディネーター、個別の教育支援計画など)

 

 

発達障害4種類(自閉症高機能自閉症学習障害(LD)、ADHD)

発達障害の種類について整理を。実際にはもっと種類があるが、ここでは文科省サイトで主な発達障害として紹介されている4種類に絞って扱う。詳しくはリンク先を見て欲しい。

 主な発達障害の定義について:文部科学省

 

まず自閉症。「3歳位までに現れ」と、現れる時期も示されている。

自閉症とは>

 自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

 

 

知的な遅れがない場合は高機能自閉症という。

高機能自閉症とは>

 高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。
 また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

 

特定の学習だけ極端に苦手な場合は学習障害の可能性あり。LDとも。

学習障害とは>

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

 

 落ち着きがないとか忘れ物が激しいなどの特徴がある、注意欠陥多動性障害。長いのでADHDとも。

<ADHDとは>

 ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
 また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。 

 

なお、学習障害(LD)と、ADHDについては2006年から、通級による指導の対象者となっている。

通級による指導とは小中学校等の通常の学級に在籍する比較的軽度の障害のある自動生徒へ週に数回、取り出しで行う特別な指導のことであり、この制度自体は1993年から実施されている。特別支援学校の制度が始まる前年の2006年に、この通級による指導の対象者が学習障害(LD)やADHDの生徒へと広がった、というわけである。以下の図も参考にしてほしい。

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特別支援教育関係の知識(委員会、コーディネーター、個別の教育支援計画など)

従来の"特殊教育"から、特別支援教育制度へ転換された2007年、文部科学省から「特別支援教育の推進について(通知)」が出された。

特別支援教育の推進について(通知):文部科学省

上通知から一部を引用する。

 

特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。

最初の理念に書かれている内容である。特別支援学校だけではなく、小学校や中学校などでも取り組みが必要なんですよ、と強調している。

 

 各学校においては、校長のリーダーシップの下、全校的な支援体制を確立し、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の実態把握や支援方策の検討等を行うため、校内に特別支援教育に関する委員会を設置すること。
委員会は、校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、教務主任、生徒指導主事、通級指導教室担当教員、特別支援学級教員、養護教諭、対象の幼児児童生徒の学級担任、学年主任、その他必要と思われる者などで構成すること。

特別支援教育に関する委員会を設置することが求められている。そのメンバーは主に学校の教員。

 

 各学校の校長は、特別支援教育のコーディネーター的な役割を担う教員を「特別支援教育コーディネーター」に指名し、校務分掌に明確に位置付けること。

特別支援教育コーディネーターは教員が担う。外部の人ではない。

 

 特別支援学校においては、長期的な視点に立ち、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した教育的支援を行うため、医療、福祉、労働等の様々な側面からの取組を含めた「個別の教育支援計画」を活用した効果的な支援を進めること。

特別支援学校に関しては、関係機関と連携し、継続的な支援のための「個別の教育支援計画」を作成。長期的視点にたったものが「個別の教育支援計画」であり、平常の教育活動で使われる「個別の指導計画」とは異なる。区別して押さえておこう。

 

特別支援学校においては、これまで蓄積してきた専門的な知識や技能を生かし、地域における特別支援教育のセンターとしての機能の充実を図ること。
特に、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び中等教育学校の要請に応じて、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒のための個別の指導計画の作成や個別の教育支援計画の策定などへの援助を含め、その支援に努めること。

特別支援学校の機能が拡充され、特別支援学校でない学校在籍の発達障害の生徒等への支援も果たすことが求められている。

 

 

 

では演習。

 

(演習)

問1.特別支援教育に関する次の文の正誤判定をせよ。

(1) 各学校においては、課程および地域や医療、福祉、保健、労働等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視点で児童・生徒への教育的支援を行うことを目的とする個別の指導計画を作成しなければならない。(2011年実施)

 

→(誤)よく注意しないと気づかないが、「個別の指導計画」ではなく「個別の教育支援計画」が正しい。2013年にも同様の出題がなされている。

 

(2) 学校の設置者は、各学校における特別支援教育の推進を図るため、医師や臨床心理士等教育関係機関の専門家の中から、主に、校内委員会・校内研修の企画・運営、関係諸機関・学校との連絡・調整の窓口の役割を担う特別支援コーディネーターを指名しなければならない。(2011年実施)

 

→(誤)いろいろおかしい。特別支援コーディネーターは、「医師や専門家」などではなく、校内の教員の中から選ばれる。また、指名するのは「学校の設置者」ではなく、校長である。2013年にはスクールカウンセラーを特別支援コーディネーターに指名するという誤り文が登場している。

 

(3) 各学校においては、校長のリーダーシップの下、全校的な支援体制を確立し、発達障害を含む障害のある幼児児童生徒の実態把握や支援方法の検討等を行うため、校内に教育委員会の職員、教員、心理学の専門家、医師等から構成される「専門家チーム」を設置すること。(2013年実施)

 

→(誤)正しくは各学校内の教員で「特別支援教育の委員会」を設置する。

 

最後に特別支援教育の流れが分かる問題を1つ。

 

問2.次の表は、特別支援教育に関する主な法令の改正・施行、答申等をまとめたものである。表中のア〜ウの内容の説明として適するものをA〜Cの中から1つずつ選べ。(2010年実施)

平成15年3月「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」

平成16年6月 障害者基本法の一部改正・施行 ……ア

平成17年4月 発達障害者支援法の施行

平成17年12月 中央教育審議会特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」

平成18年4月 学校教育法施行規則の一部改正・施行 ……イ

平成19年4月 学校教育法の一部改正・施行 ……ウ

平成19年4月 文部科学省特別支援教育の推進について(通知)」

A 盲・聾・養護学校が特別支援学校に一本化され、特別支援学校は、幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の要請に応じて、障害のある幼児・児童・生徒の教育に関して必要な助言または援助を行うよう努めるものとされた。

B 小学校もしくは中学校または中等教育学校の前期課程の通常の学級に在籍している学習障害または注意欠陥多動性障害の児童・生徒であって、一部特別な指導を必要とする者についても、通級による指導を行うことができることとされた。

C 国および地方公共団体は、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならないこととされた。

 

(解) ア→C  イ→B   ウ→A

 

 

今回は以上!