きょうさい対策ブログ

主に東京都・神奈川県・埼玉県の教員採用試験(教採)の対策にどうぞ。

【解説087】都の教育施策。「ビジョン」、「大綱」、年度ごとの「主要事務事業の概要」の整理を

今回は都の教育施策関係。

「ビジョン」、「大綱」、年度ごとの「主要事務事業の概要」の整理を

今回の内容は範囲が広いため、教職教養で点数を取る対策としては、効率が悪い。
しかし、東京都の教採を受ける立場であれば都の教育施策は当然知っておくべきである。(面接などで何か知っていることを言ってくださいと言われるかも)

今回は都の教育施策を示すものとして、3つの資料を紹介する。

都の教育施策を示す3資料

都の施策を示したものに、「ビジョン」と「大綱」の2つがあり、それを年度ごと具体化したものが「主要事務事業の概要」である。

東京都教育ビジョン

これは教育基本法第17条で地方版の教育振興計画を作成せよ、という条文によるもので、国の「教育振興基本計画」を参考に教育委員会が作成する。構成は7の柱、10の取組の方向性、26の主要施策からなる。7つの柱および10の取組の方向性の構成は次の通り。

柱(合計7) 取組の方向(合計10)
1.個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
2.世界で活躍できる人材の育成
3.社会的自立を促す教育の推進
4.子供たちの健全な心を育む取組
5.体を鍛え健康に生活する力を培う
五輪教育* 6.オリンピック・パラリンピック教育の推進
学校 7.教員の資質・能力を高める
8.質の高い教育環境を整える
家庭 9.家庭の教育力向上を図る
地域・
社会
10.地域・社会の教育力向上を図る

*五輪教育とあるのは正確には「オリンピック・パラリンピック教育」である。



東京都教育施策大綱

これは2015年改正の地方教育行政の組織及び運営に関する法律によるもので、知事と教育委員会による「教育総合会議」で作られる。

(教育行政に関しては以下記事も参考に)
【解説049】総合教育会議は首長と教育委員会による会議。教育行政の「大綱」の制定などを行う。 - きょうさい対策ブログ

「大綱」には知事の方針も大きく取り込まれることになる。東京都版は2017年1月に改正され、「全ての子供が学び成長し続けられる教育の実現」や「新しい価値を創造する力を育む教育の推進」などの重要事項が8つ示された。


主要事務事業の概要

毎年度教育委員会から発表される。2017年実施の教採では平成28年度版が出題された。2018年に出題されるとすれば平成29年度版からになるだろう。上述の「東京都教育ビジョン」および「東京都教育施策大綱」を踏まえて、その年度に特に重点をおく施策が具体的な事業としてまとめられている。


筆記対策上記の3資料は検索すればすぐ見つけることができる。ぜひ一読しておこう。


3資料を1つの表にまとめると

「東京都教育ビジョン」の7の柱、10の取組の方向性、26の主要施策をまとめた表に、

 ・「東京都教育施策大綱」の重要事項Ⅰ〜Ⅶ
 ・平成29年度の「主要事務事業の概要」のいくつかの事業

の情報を加えたものが次の表である。なお、最右列の事業例は量が膨大なので、厳選している。また、「大綱」の重要事項は表下に記載している。

内容が分からないものは調べておこう。

柱(合計7) 取組の方向(合計10) 主要施策(合計26) 平成29年度事業例(一部)
1.個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実
重要事項Ⅰ, 重要事項Ⅱ
1基礎・基本の定着と学ぶ意欲の向上 ・「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の実施
・「東京都ベーシック・ドリル」の活用
・「都立高校学力スタンダード」活用事業
・「校内寺子屋」の推進
・「ゆめナビプロジェクトの推進」
2.理数教育の推進 ・「小学生科学展」「東京ジュニア科学塾」「中学生科学コンテスト」の実施
・小中学校に「観察実験アシスタント」のハイチ支援
・「理科支援ボランティア活用モデル地域」の指定
2.世界で活躍できる人材の育成
重要事項Ⅲ
3.「使える英語」を習得させる実践的教育の推進 ・JETプログラムによる外国人指導者の活用
・「東京グローバル10」の指定継続
・東京イングリッシュ・エンパワーメント・プロジェクトの実施
・「TOKYO GLOBAL GATEWAY」の開設に向けた取組の推進
4.豊かな国際感覚を醸成する取組の推進 ・「次世代リーダー育成道場」の充実
・都立国際高等学校における国際バカロレアの取組
5.日本人としての自覚と誇りの涵養 ・都立高等学校における伝統芸能鑑賞教室の実施
3.社会的自立を促す教育の推進
重要事項Ⅳ
6.人権教育の推進
7.道徳心や社会性を身に付ける教育の推進 ・東京都「特別の教科 道徳」カンファレンスの実施
・都独自教科「人間と社会」の実施
8.社会的・職業的自立を図る教育の推進 ・全都立学校への全国紙配布
・防災ノート「東京防災」の活用促進
9.不登校・中途退学対策
重要事項Ⅴ
・新たな不登校を生まないための手引の作成
・都立学校における「自立支援チーム」の取組
10.子供たち一人一人に応じた手厚い支援体制の構築
4.子供たちの健全な心を育む取組
重要事項Ⅴ
11.いじめ、暴力行為、自殺等防止対策の強化 ・情報サイト及びアプリケーション「考えよう!いじめ・SNS@Tokyo」の活用促進
12.SNS 等の適正な使い方の啓発強化
5.体を鍛え健康に生活する力を培う
重要事項Ⅳ
13.体力向上を図る取組の推進 ・東京都統一体力テストの全公立学校での実施
・全中学校を「アクティブスクール」として指定し、体力向上の取組を展開
14.健康づくりの推進
五輪教育 6.オリンピック・パラリンピック教育の推進
重要事項Ⅶ
15.オリンピック・パラリンピック教育の推進 ・スクールアクション「もったいない」大作戦の実施
学校 7.教員の資質・能力を高める
重要事項Ⅷ
16.優秀な教員志望者の養成と確保
17.現職教員の資質・能力の向上
18.優秀な管理職等の確保と育成
8.質の高い教育環境を整える 19.都立高校改革の推進
20.特別支援教育の推進
重要事項Ⅳ
21.学校運営力の向上
重要事項Ⅷ
22.学校の教育環境整備
重要事項Ⅷ
家庭 9.家庭の教育力向上を図る
重要事項Ⅷ
23.家庭教育を担う保護者への支援体制の充実
24.学校と家庭が一体となった教育活動の充実
地域・
社会
10.地域・社会の教育力向上を図る
重要事項Ⅷ
25.地域等の外部人材を活用した教育の推進
26.学校と地域社会が連携した教育活動の充実

「大綱」の重要事項の中身は次の通りである

重要事項Ⅰ 全ての子供が学び成長し続けられる教育の実現
重要事項Ⅱ 新しい価値を創造する力を育む教育の推進
重要事項Ⅲ 世界で活躍できる人材の育成
重要事項Ⅳ 社会的自立に必要な力を育む教育の推進
重要事項Ⅴ 悩みや課題を抱える子供に対するサポートの充実
重要事項Ⅵ 障害のある子供たちの多様なニーズに応える教育の実現
重要事項Ⅶ オリンピック・パラリンピック教育の推進
重要事項Ⅷ 子供たちの学びを支える教師力・学校力の強化

今回はここまで!