きょうさい対策ブログ

教員採用試験(教採)の対策をまとめます。教職教養解説もあり。

大阪府の教員採用試験の模試みたいなのを解いてみた

大阪府教育委員会は、教員採用試験の模試みたいなのを自分自身でやってるんですね。

 

その名も「大阪府教員チャレンジテスト」

 

他県にあまりない、珍しい取り組みです。

(なお、生徒版のチャレンジテストは内申点にも反映されるような仕組みだとかで組合が反対しているようです。大阪の制度スゲーな…)

 

大阪府教員チャレンジテストは、その最新版が2018年の1月7日(日)に実施されています。今回はこのテストに対して、

 

ブログに用意した87記事の知識のみでどこまで解けるか

 

を検証してみたいと思います。このブログは東京都対策に特化するつもりで作ったわけですが、これが大阪府でも通用するのかチェックしてみようというわけですね。

 

ただし、採点の都合上、教育原理や教育時事と呼ばれる分野は除外したいと思います。なぜならこれらの分野は、教育業界の常識あるいは日本語力を援用して解くことが多いためです。ブログの「知識」がどれだけ貢献しているのか、判断が難しいんです。

(「常識」とか「知識」の話は以前の記事で話しているのでよかったらご覧ください。

教職教養には「知識」で解くものと「常識」で解くものがある - きょうさい対策ブログ)

また、記事の内容は2018年3月21日時点のものとします。←(今後87記事の内容を更新していく可能性があるので、いつ時点の記事情報か明記)

 

 では、問題の構造分析に移ります。

 

2018年1月の大阪府教員チャレンジテスト問題構成は全部で30題。で、前半の15問が教職教養、後半の15問が数的処理や論理力を見る問題でした。

 

教職教養15問の内訳は(このブログ内の分類に従えば)

1,13〜15 →教育法規

2〜9,12 →教育原理・教育時事

10,11 →教育心理

 

となります(今回のセットには教育史は登場しませんでした)。ということで上述のように、教育原理・教育時事を除いた1,10,11,13,14,15の6題を扱いたいと思います。

 

テストを"記事"で解く

 

1.教育法規-学習指導要領の変遷(問1)

学習指導要領が現在のような「告示」として公示されるようになったのは昭和33年のことであり、それ 以来ほぼ10年ごとに改訂されてきた。学習指導要領の改訂における特徴を述べた文A~Dを改訂年代順に 並べ替えたとき、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。

 A 社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ることを基本的なねらいとする。豊かな心をもち、 たくましく生きる人間の育成を図り、社会の変化に主体的に対応できる能力の育成や創造性の基礎を培う ことを重視するとともに、自ら学ぶ意欲を高めるようにすること。我が国の文化と伝統を尊重する態度の 育成を重視するとともに、国際社会に生きる日本人としての資質を養うこと。
B 「生きる力」を培うことを基本的なねらいとする。豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人と しての自覚、自ら学び、自ら考える力を育成すること。ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基 本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること。各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特 色ある学校づくりを進めること。
C 自ら考え正しく判断できる力をもつ児童生徒の育成を重視し、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな 児童生徒の育成を図り、基礎的・基本的事項を確実に身に付けられるように教育内容を精選し、創造的な 能力の育成を図ること。
D 教育基本法改正等で明確になった教育の理念を踏まえ、「生きる力」の育成を図る。知識・技能の習得 と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視し、道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や 健やかな体を育成すること。

  昭和52〜53年 平成元年 平成10年〜11年 平成20年〜21年
1 C A D B
2 A C D B
3 A B C D
4 C A B D
5 A C B  D

 これは

【解説050】学習指導要領の変遷は流れで覚える - きょうさい対策ブログ

の内容が分かっていれば解けますね。

 

選択肢A→ちょっと特徴がないのでとりあえずパス。

選択肢B →「生きる力」が強調されている。「生きる力」が登場したのは第5次改定の平成10年(1998年)から。つまりBは平成10年じゃね?となる。

選択肢C→「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな〜」は第3次改定の昭和52年(1977年)で登場したものです。この第3次改定はその前の昭和43年(1968年)第2次改定で教育の現代化をやって内容が難しくなりすぎたのを反省したころに行われたものです。

選択肢D→教育基本法改正が2006年(平成18年)であること(【解説004】でも言及している)から、それ以降の改定ということで平成20年の第6次改定ということになる。また、「思考力・判断力・表現力」というワードからも判断できる。

以上のことから4が正解と導くことができます。1点!

  

2.教育心理-用語(問10)

次の各文は、教育心理の用語に関する記述である。A~Dで述べられている用語を、それぞれ下のア~ク から選ぶ場合、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。

A 最後に呈示された事実、印象、項目がそれ以前に呈示されたものよりも学習または記憶されやすいとい う記憶の現象。
B 相手に強い期待を抱くと、その期待が相手の態度や行動に影響を与え、相手は期待に沿うような態度や 行動をとる現象。
C すでに英語を学習した人が新しくドイツ語を学習するときには、英語学習で得た知識が役に立ち、より 容易に学習が進行するというように、以前に行った学習活動が新しく行われる学習活動に影響を及ぼす こと。
D 全体的印象や目立つ特性、行動に対する判断に引きずられ、他の特性や行動に関する評価において、評 価の偏りや誤りが生じてしまう現象。

ア 学習効果の転移 イ 強化 ウ ピグマリオン効果
エ スリーパー効果 オ 天井効果 カ 新近性効果
キ ハロー効果 ク 高原現象

  A B C D
1
2
3
4
5

  Bは教師期待効果とも呼ばれるピグマリオン効果とわかります。Dは良い面につられて別の面もよいと判断してしまうハロー効果、両方とも以下の記事で解説しました。

【解説077】教育評価に関した用語。一面からの評価を全体に広げるハロー効果、期待して接することで現実に期待どうりの成果がでるピグマリオン効果、思い込ませることで効果を出すブラセボ効果 - きょうさい対策ブログ

 

Cは転移ですね。こちらで解説しています。

【解説066】学習の準備がレディネス、学習の停滞がプラトー、学習したことが他に影響することが転移。 - きょうさい対策ブログ

 

正解を導くには「最後に呈示された事実がそれ以前に呈示されたものよりも学習又は記憶されやすい」という現象を

 天井効果あるいは親近性効果

のどちらか選ぶ必要があるのですが、意味的に後者の親近性効果とわかるでしょう。正解は3とわかります。

しかしブログの知識のみで言えばその2つまでしか絞れなかったということで0.5点とします。

 

3.教育心理-発達(問11)

次の各文は、発達心理学に関する理論の提唱や研究を行った人物についての記述である。A~Cで述べ られている人物に関係の深い語句を、それぞれ下のア~カから選ぶ場合、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。

A ボウルビィ(Bowlby, Edward John Mostyn)は、乳児は母親に対して生理的欲求だけを求める無力な 存在ではなく、後追いやしがみつきなどに見るように積極的に働きかける存在であると主張した。
B レヴィン(Lewin, Kurt)は、青年期は心身の発達的能力はほぼ大人の水準に達しているものの、社会的、 経済的には独立した大人ではないことから、子どもから大人への過渡期にある青年期は情緒不安定になり がちで、緊張状態にあると考えた。
C ピアジェ(Piaget, Jean)は、認識する主体が外界の情報を自己の認識のシステムに取り込む情報処理 の枠組みを考え、認識のシステムを同化と調節の均衡化としてとらえた。

ア シェマ   イ ホスピタリズム  ウ 周辺人
モデリング   オ アタッチメント   カ 輻輳

  A B C
1
2
3
4
5

 「カ 輻輳説」はシュテルンによるものなので、カが含まれる選択肢はバツということで3つに絞れます。

【解説061】発達の要因。環境優位説のワトソン、成熟優位説のゲゼル、輻輳説のシュテルン、環境閾値説のジェンセン - きょうさい対策ブログ

 また、バンデューラのモデリングについての知識から、「エ モデリング」を含む選択肢を削れます。ということで消去法で3が正解と導けます。バンデューラについては以下記事に解説があります。

【解説065】学習理論。ソーンダイクの試行錯誤説、スキナーのオペラント条件付け。ケーラーの洞察説、トールマンの認知地図 - きょうさい対策ブログ

 もっと直接的に、ボウルビィのアタッチメントの知識があっても良かったのですが、都では14年間で1度も出題歴がなかったので、ブログでは扱いませんでした。ごめんなさい。この問題は1点とします。

  

4.教育法規-法規分離(問13)

次の各文は、教育に関する法規の条文または条文の一部である。これらが規定されている法規を下の ア~クから選ぶ場合、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。
A 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂 行に努めなければならない。
B 国民は、人権尊重の精神の涵養に努めるとともに、人権が尊重される社会の実現に寄与するよう努めな ければならない。
C 学校においては、児童生徒等の心身の健康に関し、健康相談を行うものとする。 D 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び 発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。

ア 教育公務員特例法 イ 教育基本法
ウ 学校教育法 エ 子どもの貧困対策の推進に関する法律
オ 学校保健安全法 カ 日本国憲法
児童福祉法 ク 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律

  A B C D
1 ア 
2 ア 
3
4
5

 【解説004】憲法&教育基本法の分離問題を解けるようにしておこう。 - きょうさい対策ブログ

 A 上ブログでも扱ったように、「崇高な使命」とか「研究と修養」は教育基本法のワードですから、これで選択肢が3〜5と絞れます。

 

 【解説024】高校では、養護教諭は置かなくてもよい - きょうさい対策ブログ

C 保健室関係の法規は学校保健安全法です。

 

【解説080】冷戦後の人権関係。世界人権会議で「ウィーン宣言及び行動計画」(1993年)、「人権教育のための国連10年」1995年〜2004年、最終年には「人権教育のための世界計画決議」。 - きょうさい対策ブログ

Bについては、これは憲法っぽくはないな、最近のっぽいな、と感じられれば正解の4にたどり着けると思います。

…しかし、ブログ記事のみではややあいまいな点が残るのでこの問題は0.5点としましょう。

 

東京都の場合は憲法教育基本法の分離問題が登場していますが、大阪府では憲法教育基本法に加えて学校保健安全法や児童福祉法なども混ぜて分離問題をさせるのですね。そのつもりで対策をしておく必要がありそうです。

 

5.教育法規-教育基本法前文(問14)

次の文は、教育基本法の前文である。空欄A~Cに、下のア~カのいずれかの語句を入れてこの文を 完成させる場合、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、 世界の平和と(   A   )の向上に貢献することを願うものである。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、(   B   )を希求し、公共の精神を尊び、豊かな(   C   )を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。

ア 我が国の教育水準 イ 社会性と共同性 ウ 真理と正義
エ 公正と信義 オ 人間性と創造性 カ 人類の福祉

  A B C
1 ア 
2
3
4 ア 
5

正答は5。結果から言うとこの問題は、記事の知識で正解に達することができないので0点。

ただ、この問いはどちらかといえば日本語力である程度選択肢を絞れるタイプの問題になると思います。

Aの「世界の平和と(我が国の教育水準・人類の福祉)の向上に貢献〜」は世界の平和と言ったあとに我が国の教育水準だと随分示す範囲が違います。言葉の粒の大きさが全然違うわけです。ということで世界の平和と〜の後ろは人類の福祉が入るのが自然と考えられるでしょう。

Bはどちらが入っても日本語的には違和感ありませんね。

Cの「豊かな(社会性と共同性・人間性と創造性)を備えた人間の育成を〜」は前者のワードを入れると、「豊かな社会性と共同性を備えた人間」となり、豊かな社会性というのが変じゃないですか?豊かな社会性よりも豊かな人間性の方が自然です。

そんなわけでまったく知識がなくても日本語力で選択肢が3か5に削ることができると思います。

しかし、ちゃんと正答を選ぶためには教育基本法をマジメに覚えておく必要がありますね。

 

6.教育法規-服務(問15)

次の各文は、地方公務員法の条文である。空欄A~Cに、下のア~カのいずれかの語句を入れてこれら の条文を完成させる場合、正しい組合せはどれか。 1 ~ 5 から一つ選べ。
第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の 機関の定める規程に従い、且つ、(   A   )に忠実に従わなければならない。
第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の(   B   )となるような行為をしてはな らない。
第三十五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の(   C   )のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなけれ ばならない。

ア 注意力 イ 怠業 ウ 全体の奉仕者としての良心
エ 権限 オ 不名誉 カ 上司の職務上の命令

  A B C
1 ウ  ア 
2
3 ア 
4 カ 
5 ア 

 

【解説040】教員の服務、職務上の義務が3つと身分上の義務が5つ - きょうさい対策ブログ

上記事にバッチリかいてあります。Aは「上司の職務上の命令」、Bは 「不名誉」でこれで選択肢が1つに決まりますが、Cの「注意力のすべてをその職責遂行のために用い」というのも慣れておきたい表現です。

この問題は1点。

 

結果と反省点(6点中4点)

結果(◯は1点、△は0.5点、×は0点)

1.◯ …学習指導要領の変遷は十分カバーできていた

2.△ …「天井効果」「親近性効果」を追加すれば確実に正答できた

3.◯ …正答はできたけどボウルヴィのアタッチメント追加してもいいかなと思った

4.△ …憲法&教育基本法以外の法規を混ぜても分離できる準備が必要そう

5. × …教育基本法は条文を引用した解説をした方がいいかもと思った  

6.◯ …服務は十分カバーできていた。

 

上記の反省点のうち、2,3,5については東京都対策でも役に立つと思われたので、ブログ記事を近いうちに修正して行きたいと思います(→2018.03.24更新済)。一方の4は東京都に出題例のないパターン。大阪府特有のものと割り切り、修正はしないでおきます。

 

今回の大阪府教員チャレンジテストを通して、ブログ記事87の改善点を見つけることができました。

出来上がった87個の記事たちで、実際に教採問題と戦わせてみて、改善点を見つけ修正する。このサイクルを繰り返すとどんどん87記事のレベルが上がっていきそうで面白い!

 

 別の自治体でも今回のようなチャレンジをやってみたいですね。次はどこの自治体でやってみますかねー

 

今回はここまでです!