【易しめ解説13】道徳性の発達段階提唱者 ピアジエ→コールバーグ→アイゼンバーグ

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今回は”道徳性”に着目した発達段階理論を扱います。

ピアジエの道徳性理論「他律的から自律的へ」

ピアジエは知能の発達段階説でも登場した人物ですね。子どもがルールを理解することや嘘についてどう判断するのかなどの実験から、道徳性が「他律的から自律的へ」変化していくという結果を示しました。



コールバーグの道徳性発達段階説

コールバーグは人間がどのような基準で善悪を判断するのかについての3水準、6つの発達段階を示しました。例えば

・第1段階では罪を避け、力があるものに無条件で従うことが良いこととされる

・第6段階では公正や人間の尊厳の尊重など普遍な原理に従うことが良いこととされる

などです。6つを細かく覚える必要は無いと思われますが、コールバーグ=道徳の判断基準が発達段階で異なることを示した、ということは覚えておきましょう。

アイゼンバーグの「向社会性」理論

それほど有名な人物ではありませんが、神奈川の教採では過去15年で2回登場しています。コールバーグとセットで覚えておきましょう。コールバーグの理論を継承して、「向社会性」(人のためになる行動をする自発的行動)の発達に注目した発達段階を示しました。「向社会性」というキーワードさえ覚えておけばOKです。

(演習)

2題扱います。

(演習1)

次の記述の空欄[ ア ]〜[ ウ ]に当てはまる人名の組合せとして最も(2014年実施39)
「他律的道徳から自立的道徳へ」という道徳性の発達の方向性を述べた[ ア ]の考えを基に、道徳的価値の判断基準「どのような判断基準で道徳的行動を起すのか」を中心として道徳性の発達段階を提唱したのは、[ イ ]である。さらに、[ ウ ]は、この理論を踏まえて、特に、向社会的道徳判断に焦点を当てた研究を積み重ねた。
【選択肢】アイゼンバーグ、ピアジェ、セルマン、コールバーグ

(解)→順にピアジェ、コールバーグ、アイゼンバーグ
今回の記事の構成の元になった問題です。神奈川県の教採作成者の間で、道徳の発達に関してピアジエ「他律的から自律的」→コールバーグ「3水準6段階」→アイゼンバーグ「向社会的」という流れを意識していることがわかります。



(演習2)

次の①〜④の記述のうち、適切ではないものを選びなさい。(2017年実施40)
①ピアジェは、子どもの道徳性は大人の判断に依存する「他律的段階」から自己の判断を重視する「自律的段階」へと移行していくと提唱した。
②アイゼンバーグは、自他の要求が葛藤する場面における向社会的道徳判断の発達的変化を検証し、発達段階を提唱した。(2017年実施40)
③コールバーグは、ピアジェの研究を基礎に、より広い年齢層にわたる発達過程を検討し、3水準6段階の発達段階説を提唱した。

④道徳性に関する心理学的研究の先駆けとなったのは、フロイトの「児童の道徳的判断」という研究である。

(解)→④

(演習2)は(演習1)の焼き直しですね。「児童の道徳的判断」はピアジェによる著作ですが知らなくても消去法で解答できると思います。

今回はここまで。

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