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【神奈川解説17】学習理論、連合説。レスポンデント条件づけ→試行錯誤説→オペラント条件づけ

神奈川県の教採では学習理論うち、次の3つの内容

・レスポンデント条件づけ(古典的条件付け)

・試行錯誤説

・オペラント条件づけ

がよく出題されています。これらは刺激(S:stimulus)と反応(R:response)を結びつけようとする理論で連合説(S-R理論)とよばれています。

 

 

レスポンデント条件付け(古典的条件付け,S型条件づけ)

パブロフの犬」と呼ばれる実験が有名です。餌という刺激に対して唾液が分泌される反応はイヌが生まれつき持っているものです。このような生まれつきの刺激と反応をそれぞれ無条件刺激、無条件反応と言います。

ここで、例えば餌を与える直前に音を鳴らすなどして、餌と音(条件刺激)という刺激を同時に提示してみます。この提示を繰り返していると、次第に唾液の分泌が、本来なんの関係もなかった音という条件刺激によって引き起こされるようになります。つまり、音という条件刺激によって唾液の分泌が行われる(条件反応)ようになるのです。無条件刺激と条件刺激の組合せを繰り返すこと(強化といいます)によって本来無条件刺激によって引き起こされる反応が、条件刺激によって引き起こされるようになる条件づけをレスポンデント条件付けあるいは古典的条件づけ、もしくは刺激の置き換えを図っていることからS型条件づけと言われることもあります。

レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ,S型条件づけ)

餌(無条件刺激)→唾液の分泌(無条件反応)

(餌と音の提示を繰り返す(強化する)と…)

音(条件刺激)→唾液の分泌(条件反応)
 

 

試行錯誤説

「試行錯誤説」の提唱者は以前の記事で『教育心理学』を著した人物として紹介したソーンダイクです。次の実験が有名です。空腹のネコを、柵付きの箱(問題箱)の中へ入れ、外側に餌をおいておきます。箱の中にはひもがあり、それを引くことで柵が開く仕組みです。ネコが偶然にひもに手が触れて柵が開くという経験を繰り返すことで箱に入れられてから出るまでの時間が短くなっていきます。このように試行錯誤を通して学習が成立するということから、ソーンダイクは試行錯誤説を提唱しました。

上の実験の場合、

刺激状況(S)…空腹で箱に入れられており、外には餌がある

反応(R)………ひもを引く(→柵が開いて出られる)

SとRの対応は満足するものであるため、次第に結合が強くなっていきます。もしSとRの対応が不満足であれば、結合は弱くなります。このように結果の満足度によってSとRの結びつきの強さが変化することを「効果の法則」といいます。 

試行錯誤説
偶然の行動と結果の繰り返しで学習が進行する(効果の法則)。提唱者はソーンダイク。ネコの実験
 ソーンダイクのこうした理論は次のスキナーのオペラント条件づけに引き継がれていくことになります。
 
オペラント条件づけ(道具的条件づけ)

オペラントとは自発するという意味です。試行錯誤説とも似ていますが、オペラント条件づけではより「自発する」行為に注目しています。実験内容とともに記憶しておきましょう。提唱者スキナーはネズミを使った実験を行いました。ネズミを入れた箱内にレバーがあり、そのレバーを押すと餌がでてくる仕組みの箱(スキナー箱)を用意します。ネズミは、偶然レバーに手が触れて餌が出てくるという経験を繰り返すことで、「レバーを押す」という動作と「餌」が結びつき、ネズミが自発的にレバーを押す頻度が高まります。このように、自発的な行動に対して報酬を与えて強化する条件づけをオペラント条件づけ、あるいは道具的条件づけといいます。レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)は餌を見て唾液がでるというような反射的な反応に対して行われるものであったのに対し、オペラント条件づけ(道具的条件づけ)では、自発的におこなれた行為に対して条件づけを行うのが特徴です。なお、「レバーを押す」と「餌」(報酬)を与えるのは正の強化、「レバーを押す」と「電気ショックを回避できる」(罰の回避)というような場合は負の強化といいます。

なお、「試行錯誤説」と「オペラント条件づけ」は同一の流れの中にある理論です。なんらかの行動に対する反応によって学習が進むという意味では同じものであり、教採のレベルでは理論的に踏み込んだ部分までその2つを区別する必要はないと考えられます。提唱者と何の実験を行ったのか程度にとどめればよいでしょう。

オペラント条件づけ(道具的条件づけ)
自発的な行動に働きかけて学習が進行する。提唱者はスキナー。ネズミの実験

 

 

では演習を3問ほど。

(演習)

 

(演習1)

次の各文は、学習の理論について述べたものである。誤っているものを、次の①〜⑤の中から選びなさい。(2006年実施41)
①古典的条件づけは、パブロフ(Pavlov, I.P.)によって研究され、動物が生まれつきもっている刺激と反応の連合をもとに、その刺激と一緒に他の刺激をくり返し提示することによって刺激と反応が結びつくことをいう。
②道具的条件づけは、スキナー(Skinner, B.F.)が考案したスキナー箱と命名した実験装置を使って研究され、動物が特定の行動をしたときに報酬を与えることによって、その行動の頻度が高くなることをいう。
③古典的条件づけにおいては、反応は自発するが、道具的条件づけにおいては、先行する刺激によって反応は誘発される。
④古典的条件づけによって形成された条件反応は、無条件刺激を与えず、条件刺激のみを単独に提示することを繰り返すことによって、次第に小さくなり、やがて現れなくなる。これを消去という。
⑤ある反応や行動の学習が成立すると、その学習がその他の反応や行動に対してさまざまな影響を与えることがある。これを学習の転移という。

 

(解)

③ 古典的条件づけ=レスポンデント条件づけと道具的条件づけ=オペラント条件づけが逆です。

 

(演習2)

次の文で、古典的条件付けや道具的条件付けについて述べたものとして、適当でないものを、次の(2011年実施13)
①古典的条件付けはパブロフの条件反射に代表されるものである。
②道具的条件付けは、ソーンダイクやスキナーの実験により明らかにされた学習の基本的形成とされている。
③古典的条件付けでは、条件刺激と無条件刺激が時間的に接近し、反復して与えられることが必要であり、スキナーは、刺激の置き換えが重要であるので、R型条件付けとも呼んだ。
④道具的条件付けは、自発する行動の直後に報酬を与えるなどして条件反応を形成しようとするものである。
⑤条件付けは、その手続、生活体の反応によって大きく2つに分けられる。一つは古典的条件付け、またはレスポンス条件付けと呼ばれ、もう一つは道具的条件付けあるいはオペラント条件付けと呼ばれている。

 

(解)

③古典的条件づけ=レスポンデント条件づけ=S型条件づけです。

 

(演習3)

次の文章は、学習の理論について述べたものである。[   ]に当てははまるものとして最も適当なものを、下の①〜⑤のうちから一つ選びなさい。(2013年実施40)
 ソーンダイクは、檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察した。一連の観察から問題解決学習は[   ]の繰り返しによるものと考え、満足をもたらす反応は反復され、不満足をもたらす反応は除去されると結論づけた。
①試行錯誤
プラトー
③強化
④洞察
インプリンティング
 

(解)①

 

 今回はここまでです。