きょうさい対策ブログ

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【神奈川解説21】内発的動機づけ・外発的動機づけ、アンダーマイニング効果、その他動機

今回は動機づけや動機に関することをまとめます。

 

内発的動機づけ・外発的動機づけ

まずはこの2つを押さえましょう。

・内発的動機づけ…学習の内容そのものに興味を持っている状態

・外発的動機づけ…学習の内容とは関係のないことを目的にしている状態

学習内容そのものに興味を持たせるような指導で、内発的動機づけ高められるようにするのがベストです。しかし場合によっては「ご褒美シール」など目先の目標で意欲を高めるような外発的動機づけによる方法が必要なこともあるでしょう。

 

 

内発的動機づけを高めるために重要な視点として、「有能感」や「自己決定感」を高めることがよくいわれます(ライアンとデジの研究)。それぞれ言葉の通りですが、一応意味を書いておきます。

「有能感」…環境に対して有効に働きかけられる、という自覚

「自己決定感」…自分の行動を自分で決めることができる、という自覚

 

自分の力や考えで物事に関わることができるという見通しが内発的動機づけに欠かせないわけです。こうした視点をもって指導に当たりたいですね。

 

アンダーマイニング効果(過剰正当化効果)

内発的動機づけによって行動していたものが、報酬などによって外発的動機づけによる行動へ変わってしまう現象のことです。過剰正当化効果とも言います。

例えば、次のようなことが例に挙げられるでしょう。

 漢字の学習が好きな生徒がいる。

 ↓

 漢字を100個覚えるたびに何かしらのご褒美をあげる約束をする。

 ↓

 ご褒美をもらうために学習するようになってしまう。

 ↓

 ご褒美をあげるのをやめると漢字の学習に取り組まなくなってしまう。

 

内発的動機づけによって学習意欲が保たれている場合は、余計な報酬を与えると上のようにアンダーマイニング効果が働いてしまう可能性があるというわけです。

 

達成動機・親和動機

これらは言葉通りの意味であまり難しくはないでしょう。

達成動機…日常的ないわゆる「やる気」。成功したいとか、より良い成果を生み出そうとする動機

親和動機…周りと仲良くしようとする動機。社会生活を営む上で愛情のこもった友好的な関係を保って人に接しようとすること。

 

成功回避動機・失敗回避動機

これも大体文字から推察されると思われます。教採対策の本には記述が少ないようですが、心理学の学術論文では使用されているワードのようです。

・成功回避動機…成功することによって社会的に認められることを恐れてあえて成功を回避する動機

・失敗回避動機…失敗することを恐れて物事に挑戦しない動機

 

では演習。

 

(演習)

今回は3題扱います。

 

(演習1)

動機づけについての記述として最も適当なものを、次の1〜4のうちから選びなさい。(2017年実施43)
1 自己決定感や自己効力感を感じていることが、内発的動機づけを可能にする心理的基盤につながる。
2 外的な報酬による行為の成功を繰り返すことで内発的動機付けによる行為に変わることをアンダーマイニング効果と言う。
3 成功することを恐れて、成功しそうになるとそれを回避しようとする動機を失敗回避動機という。
4 仲良くなりたい、協力したい、友好的な関係を維持したいと欲する動機を達成動機という。

 

(解)正しいのは①

②→アンダーマイニング効果は内発的動機づけによる行為に対して報酬を与えるなど外発的動機づけを行うことでやる気が低減する現象

③→成功をおそれているのですから成功回避動機です。失敗をおそれているのならば失敗回避動機でよいのですが。

④→親和動機の説明です。成功動機と親和動機は対比させておくと覚えやすいかもしれません。

 

(演習2)

次の文章は、動機づけについて述べたものである。[ ア ]〜[ エ ]に当てはまる語句を選択肢から選びなさい。ただし、語句は何度使用してもよい。(2012年実施40)
 学習の初期段階では、外発的動機づけによる学習効果が認められているが、学習が進むにつれて、[ ア ]動機づけから[ イ ]動機づけへ変化させるように指導することが望ましい。また、[ ウ ]に動機づけられている児童生徒に対して必要以上に外的な報酬を用いて指導すると、[ エ ]動機づけを低下させることが知られている。これを過剰正当化効果という。
【選択肢】外発的、内発的

 

(解)

[ア]外発的、[イ]内発的、[ウ]内発的、[エ]内発的

[ア]・[イ]外発的動機づけよりも内発的動機づけにもっていくべきですね。

[ウ]・[エ]内発的動機づけが働いている状態で報酬をあげて内発的動機づけが下がる現象が過剰正当化効果(アンダーマイニング効果)です。

 

(演習3)

次の記述は、動機づけに関するデシの研究について述べたものである。空欄ア〜ウに当てはまるものを選択肢から選べ。(2018年実施39)

[ ア ]に動機づけられている行動に対して報酬を与えると、[ イ ]動機づけが低下してしまうことがある。子どもの[ウ]が高いほど、自分から積極的に行動を起こすようになる。

【アの選択肢】内発的、外発的

【イの選択肢】内発的、外発的

【ウの選択肢】自己決定感や有能感、責任感や義務感

 

(解)[ア]内発的 [イ]内発的 [ウ]自己決定感や有能感

前半はアンダーマイニング効果の説明ですね。

 

 今回はここまでです。