きょうさい対策ブログ

主に東京都・神奈川県・埼玉県の教員採用試験(教採)の対策にどうぞ。

【神奈川解説24】スキナーのプログラム学習の特徴は学習者主体であること

オペラント条件づけは覚えているでしょうか?

【神奈川解説17】学習理論、連合説。レスポンデント条件づけ→試行錯誤説→オペラント条件づけ - きょうさい対策ブログ

オペラント条件づけは「レバーを押す行為に合わせて餌を与える」というように、自発的な行動に対する条件づけの理論でした。この理論を元に、スキナーはプログラム学習という学習の仕組みを作りました。

 

自発的行動に働きかけるオペラント条件づけがベースになっていることもあり、プログラム学習は個人で学習が進められるような仕組みになっていることが特徴です。このことをおさえておけば次の5原則が頭に入りやすいでしょう。

 

プログラム学習の5原則

①積極的反応の原理…学習者の主体的取り組みによって成立する

②自己ペースの原理…学習者の理解度に合わせて学習を進める

③スモールステップの原理…学習内容を小分けにして段階的に学習させる

④即時確認(フィードバック)の原理…即座に正答を確認できる

⑤学習者検証の原理…プログラムの良し悪しは学習者の学習結果によって判断する。結果が良くない場合はプログラムを改善する。

 

①〜④は口語的に言えば、

 ①主体的に勉強しなきゃダメよ

 ②自分のペースで

 ③自分で勉強できるようにちょっとずつ難度をあげるよ

 ④あってるかその場ですぐ確認できるよ

ということで、すべて学習者が自ら勉強するために必要な仕組みを言っている、と整理できるでしょう。

 ⑤学習者検証の原理

というのはプログラム自体の改善方法を学習者の行動から見つけるということでこちらも学習者を主体にしたものだということができます。プログラム学習はとにかく、学習者が主体なのです。

 

(演習)

神奈川県の教採ではプログラム学習が単独で、あるいは他の理論と混ぜるなどして何度も出題されています。ここでは、単独で出題された年の中から、演習を4題行っていきましょう。

 

(演習1)

スキナーによって考案されたプログラム学習の原理について述べたものとして適当でないものを、次の①〜⑤のうちから一つ選びなさい。(2013年実施41)
① 積極的反応の原理とは、学習者自身が課題に対して興味をもち、積極的に反応することが、学習が成立する上で大切であることを意味している。
② 自己ペースの原理とは、学習者の個人差に応じたペースで学習することは、学部からの強制による学習ではなく、自己の能力に見合った最適のペースで効果的な学習をすすめることができることを意味している。
③ ステップアップの原理とは、学習過程を連続過程と考え、学習内容をできるだけ細かく分割することをいう。
④ 学習者検証の原理とは、プログラムの良否は、学習者の学習結果によって検証されることを意味している。学習者が目標に到達しない場合には、プログラムに問題があると考え、その改善が行われる。
⑤ 即時確認の原理とは、反応の正誤を学習者にすみやかに知らせることは、学習の効果を高めることに役立つことを意味している。

 

(解)③

「ステップアップ」でなく「スモールステップ」です。

 

(演習2)

次の文章は、プログラム学習について述べたものである。[ ]に当てはまる語句として最も適当なものを、下の①〜⑤のうちから一つ選びなさい。(2012年実施41)
 プログラム学習とは、スキナーのオペラント条件づけの理論が学習場面に適用され、発展した学習形態である。問題の提示過程、学習者の反応過程、反応結果の正誤を知らせる[ ]過程からなる。プログラムにはスキナーの直線型とクラウダーの枝分かれ型がある。
①積極的反応 ②学習者検証 ③フィードバック ④スモールステップ ⑤ポートフォリオ

 

(解)③

反応結果の正誤を知らせる=フィードバックですね。5原理をなんとなくでも知っておけば正答できるでしょう。

 

(演習3) 

次のプログラム学習の原理に関する説明を読み、その内容に該当する語句として最も適当なものを、次の①〜⑤のうちから選びなさい。(2009年実施40)
 学習課題をできるだけ具体的で単純な下位行動に分類し、それらの下位行動を一つひとつ順番に習得していくことで、最終的な目標行動にいたることができるようにする原理
①学習者検証の原理 ②即時確認の原理 ③自己速度の原理 ④スモール・ステップの原理 ⑤積極的反応の原理 

 

(解)④

いきなり難しいのをさせるのでなく、ちょっとずつ難度を上げていく、スモールステップの原則ですね。

 

演習4は、記事内で扱ってない内容もちょっと入ってますが、正答は難しくないでしょう。

 

(演習4)

次の文は、スキナー(Skinner, B.F.)によって提唱された「プログラム学習」の原理とその学習指導法について述べたものである。誤っているものを、次の①〜⑤の中から選びなさい。(2008年実施43)
①スモールステップの原理:最終目標に至るまでの下位目標を難易度の順に段階的に配列し、それらを1ステップずつ漸進的に学習を進めていく。
②積極的反応の原理:単に頭で理解するだけでなく、各ステップの問題に積極的に反応(解答)させる。また、反応(解答)がなされた場合に、初めて強化(正誤を知らせること)が与えられる。
③即時確認の原理:一瞬のひらめきによって学習が一挙に成立する。
④自己速度の原理:個人差に応じて最適のペースで学習を進める。
⑤フェイディングの原理:最初は正解が出やすいように援助を多く与えるが、しだいに援助を減らし、自力で正解できるようにする。

 

(解)③

即時確認の原理は「一瞬のひらめきによって学習が一挙に成立する」でなく「反応の正誤をすみやかに学習者に知らせる原理」です。

選択肢⑤のフェイディング(fading)とは、徐々に援助を減らし、援助が無い(少ない)状態でも学習が進むようにすることです。2011年にも単独で出題されていますので一応おさえておきましょう(細かいことですが、2011年はフェーディングという名称で出題されています)

 

今回はここまでです。