【易しめ解説38】クラス内の人物への好き/嫌いをグラフ化するソシオメトリック・テスト、行動傾向に当てはまる人物を答えるゲス・フー・テスト

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今回は、クラスなどの集団を把握するために必要な知識というこで、

集団内の人間関係を測定する方法として

○ソシオメトリック・テスト

○ゲス・フー・テスト

集団における教師のリーダーシップの分類である

○PM理論

について扱います。

クラス内への好き/嫌いをグラフ化するソシオメトリック・テスト

モレノという人物は覚えているでしょうか。

【やさしめ解説36】心理療法。アイゼンクの行動療法、エリスの論理療法、モレノの心理劇療法など – きょうさい対策ブログ

モレノは集団の場で劇を行う「心理劇療法」という心理療法を開発した人でした。やはり彼は「集団」に興味があったようで、集団構造を把握する方法として「ソシオメトリック・テスト」の開発も行っています。「好きな友人はだれですか」「一緒に遊びたい友人はだれですか」などクラス内での人間関係についての質問に答えさせ、結果をソシオグラムというグラフで示します。ソシオグラムでは各生徒を点で表示し、1番の生徒が2番の生徒へ好意を持っている場合は1番の点から2番の点へ矢印を描く、というような要領で生徒間の関係を示します。「仲の悪い人」などを聞く場合もあるため、実施には負の影響がでないように気を遣う必要があります。



行動傾向に当てはまる人物を答えるゲス・フー・テスト

ハーツホーンという人物が開発者ですが、人物名は覚えなくてよいでしょう。ゲス・フー・テストは特定の行動傾向や能力に関する質問をし、当てはまるなと思う生徒を答えるという形式で行われます。質問は例えば「誰に対しても優しい人」「いつもきまりを守っている人」など。ソシオメトリック・テストのように好き・嫌いというような個人の好みを聞くのではなく、行動実態を元に当てはまる人物を答えます。

リーダーシップについてのPM理論

リーダーシップに関して、三隅二不二(みすみ じふじ)がPM理論を提唱しています。ここでいうP,Mの意味は

P: Performance機能…集団の課題や目標を達成させる機能

M:Maintenance機能…集団内の交流を促し集団からの離脱を防止する機能

です。リーダーシップに関してパフォーマンス機能(P)が高い場合は大文字のP、低い場合は小文字のpで表します。メンテナンス機能(M)に関しても同様です。

理想的なリーダーはパフォーマンス機能Pもメンテナンス機能Mも備えたPM型のリーダーで、望ましくないのは両方の機能が低いpm型のリーダーです。(PmとpMのどちらがいいかは状況で異なるようです)。教採対策としてはこの程度の知識で十分でしょう。



(演習)

1問だけ扱います。PM理論の内容も盛り込んでいます。

(演習1)

次の文のうち、正しいものを一つ選べ。(2014 年実施42改題)
(ア)ポートフォリオは、書類カバンに書類が整理して詰め込まれるように、それぞれの個人についての評価資料を蓄積するものである。
(イ)ソシオメトリック・テストは、ある特定の行動や性格傾向などについて、クラスの中で当てはまる人は誰かを指名させるものである。
(ウ)ゲス・フー・テストは、グループ内の対人関係についての代表的な方法である。

(エ)PM理論におけるPは集団を維持する機能を表し、Mは目標を達成するを表す。

(解)正しいのは(ア)

(イ)(ウ)は主語が逆です。

(エ)はPとMの説明が逆です。

今回はここまでです!

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