【易しめ解説41】憲法、思想表現系の条文3つ

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今回は20,21,23条です。前回同様、表現になれることを意識しましょう。

日本国憲法第20条

信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

20条第3項は教育基本法15条にも同様の表現が登場します。

また、憲法で権利を述べた条文は、主語が「国民」であるものが多いです。今回のように主語が「何人」となっている条文は

・20条 信教の自由 (今回扱っている)

・22条 居住・職業選択等の自由 (前回扱った)

・17条 公務員の不法行為 (次回扱う)

の3条文のみです。



21条の表現の自由及び23条の学問の自由は誰に対しての権利なのかが明示されておらず、かつ長さも短い「シンプル系」条文です。

日本国憲法第21条(第1項)

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

 

「集会」「結社」「言論」「出版」に代表される「表現」の自由の保障ですね。

日本国憲法第23条

学問の自由は、これを保障する。

 

非常にシンプルですね。余計な表現を追加して正誤判定をさせる問題が出題されるかもしれませんので注意を。

では演習を。

(演習)

2題扱います。前回の内容も含んでいます。

(演習1)

日本国憲法の条文の抜粋として正しいものを、次の①〜⑤の中から一つ選びなさい。(2007年実施45)
①何人も、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
②この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国及びその機関の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
③生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
④信教の自由は、国民に対してこれを保障する。
⑤集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、法律の定めるところにより、これを保障する。

(解)③(13条の一部)

①人権に関する最初の条文である、11条です。正しくは「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」

②権利を認めるけれどもそれを「国民が」保持する努力をせよという内容の12条です。正しくは「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」

④20条信教の自由は「何人に対しても」保障しています。

⑤「法律の定めるところにより」が余計です。21条表現の自由はシンプルで、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」

(演習2)

次の各文について、日本国憲法の条文を抜粋しているものを1つ選べ。(2010年実施45)
①学問の自由は、法律の定めるところにより、これを保障する。
②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする。
③すべて国民は、いかなるときも、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

(解)②

教採受験者にとって最も重要な、26条(教育を受ける権利・教育を受けさせる義務)は次回以降の記事で扱いますが、この問については今回までの内容でも消去法によって正答できるでしょう。

①23条学問の自由について、法律の定めるところという表現はないです。正しい条文は「学問の自由は、これを保障する。」ととてもシンプル。

③22条居住・職業選択等の自由は「何人」に対しても、「公共の福祉」に反しない限り認められています。正しい条文は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」です。

今回はここまでです。次回は「公務員系」の条文を扱います。

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