きょうさい対策ブログ

教員採用試験の対策にご活用ください。

【神奈川解説56】8つの服務はすぐ思い出せるように。分限処分・懲戒処分はそれぞれ4種類

今回は服務と処分について扱います。

 

仕事をする上で守らなければならない義務や制限のことを服務といいます。学校の教員に課せられるものは、職務上の義務が3つ、身分上の義務が5つです。

 

まず職務上の義務から。

地方公務員法第31条(服務の宣誓)
 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

公務員に任用される際にちゃんと仕事しますという宣言を行うわけです。

 

地方公務員法32条(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

組織の人間として法律や上司の命令を破ってはなりませんってことですね。ただし、職務上の命令でない場合や明らかに法律違反だろって場合には従う必要はありません。

 

地方公務員法第35条(職務に専念する義務)
 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

注意力のすべてという言葉が強烈ですが、とにかく勤務時間は全力で仕事やりなさいということです。勤務時間に私的な目的でインターネットを利用したりするのはアウトです。

 

では続いて身分上の義務を5つ。

地方公務員法第33条(信用失墜行為の禁止)
 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

勤務時間であるかに関わらず、社会通念上よろしくない行為は信用失墜行為ということでダメよということです。

 

地方公務員法第34条第1項(秘密を守る義務)
 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。

組織の一員としていろいろな秘密を扱うことがありますが当然漏らしてはなりません。退職後も同様。裁判等で証人になる場合があっても、任命権者の許可を必要とします。

 

地方公務員法第36条第1項(政治的行為の制限)
 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又これらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

一般の地方公務員の場合、属する地方公共団体の区域外であれば、特定の政党への投票を呼びかける等の政治的活動を行うことができるとされています。しかし、教員の場合は国家公務員と同様の扱いで、区域内外に関係なくそうした政治的活動が禁止されています。

なお、その罰則についての知識がここ2年連続で出題されています。罰則は「政治的行為の制限に違反した者の処罰につき国家公務員法大110条第1項の例による趣旨を含むものと解してはならない」(教育公務員特例法第18条第2項)ということで国家公務員と同じようにするというわけではありません。こんな細かい知識を神奈川教採で2年連続で問うのは何か意図があるのでしょうか。

 

地方公務員法第37条第1条(争議行為等の禁止)
 職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

ようするにストライキはダメよ、ということですね。

 

地方公務員法第38条第1項(営利企業への従事等の制限)
 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

 

教育公務員特例法第17条第1項(兼職及び他の事業等の従事)
 教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者のにおいて認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。

基本的には儲ける活動をしてはダメなのだけれども、教育関係の仕事で、任命権者の許可がある場合は兼職ができるということです。

 

以上、8つの服務をまとめます。面接試験等で問われる可能性もありますから必要な時にサッと思い出せるように準備しておくことをオススメします。

【職務上の義務】

①服務の宣誓

②法令等及び上司の職務上の命令に従う義務

③職務に専念する義務

【身分上の義務】

④信用失墜行為の禁止

⑤秘密を守る義務

⑥政治的行為の制限

⑦争議行為等の禁止

営利企業への従事等の制限

 

続いて処分に関する話を少しだけします。

処分は2種類あります。

・分限処分…本人の道義的責任を問うものではない

・懲戒処分…本人の違反行為の責任を問うもの

 

分限処分は

降給・降任・休職・免職

の4種類があり(地方公務員法第27条)、

懲戒処分には

戒告・減給・停職・免職

の4種類があります(地方公務員法第29条第1項)。

 

(演習)

 今回は4題扱います。

(演習1)

次の文は、地方公務員法の条文の抜粋である。[ア]〜[エ]に入る語句を選択肢から選べ。(2006年実施49)
(1) すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たつては、全力を挙げてこれに[ア]しなければならない。
(2) 職員は、その職務を遂行するに当たつて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、[イ]の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
(3) 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその[ウ]のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
(4) 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする[エ]その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
【アの選択肢】従事、専念
【イの選択肢】上司、管理職
【ウの選択肢】公務遂行、職責遂行
【エの選択肢】会社、法人

 

(解)[ア]専念 [イ]上司 [ウ]職責遂行 [エ]会社

 

(演習2)

地方公務員法の規定についての記述について適切ではないものを、次の①〜⑤のうちから選びなさい。(2017年実施48)
①職員に心身の故障があり、職務の遂行に支障がある場合、当該職員の意に反してこれを降任し、又は免職することができる。
②職員は、その職務を遂行するに当たり、法令等に従い、かつ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
③職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
④職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。ただし、その職を退いた後はこの限りでない。
⑤職員は、政党の結成に関与し、又は、その役員となってはならない。

 

(解)④

職を退いても同様に秘密を守る義務があります。

 

(演習3)

地方公務員法や教育公務員特例法の規定についての記述として最も適切なものを①〜⑤から一つ選べ。(2016年,2013年実施)
①職員は、上司の職務上の命令については、いかなる命令であっても忠実に従わなくてはならない。
②公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、罰則を含めて国家公務員と同様の規定が適用される。
③職員が勤務時間外に行った行為は、信用失墜行為の対象にはならない。
④分限処分の種類は、降任、休職及び降給の3つである。
⑤職員は、法律又は条例に特別の定めがある場合には、職務専念義務が免除される。

 

(解)

①重大かつ明白な瑕疵(かし)がある場合は命令は無効です。

②これは消去法で間違いと判断できればOKです。政治的行為の制限は国家公務員と同様であるものの、罰則については「政治的行為の制限に違反した者の処罰につき国家公務員法大110条第1項の例による趣旨を含むものと解してはならない」(教育公務員特例法第18条第2項)と別扱いということになっています。

③勤務時間外でも信用失墜行為になるに決まってますよね。

④分限処分は降給・降任・休職・免職の4つです。

 

最後に、「全体の奉仕者」という用語を扱っておきます。

(演習4)

次の各文は、教育公務員の職務の遂行等に関して規定した法律の条文である。文中の(2011年実施47)
(1) すべて公務員は、[ ア ]であつて、一部の奉仕者ではない。(日本国憲法第15条第2項)
(2) すべて職員は、[ イ ]として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たつては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。(地方公務員法第30条)
(3) 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び[ ウ ]のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。(地方公務員法第35条)
【アの選択肢】全体の奉仕者、社会の奉仕者
【イの選択肢】全体の奉仕者、社会の奉仕者
【ウの選択肢】職務上の注意力、持てる能力

 

(解)[ア]全体の奉仕者 [イ]全体の奉仕者 [ウ]職務上の注意力

「全体の奉仕者」は教採で登場する法律では日本国憲法地方公務員法ぐらいにしか出てきません。教育基本法には出てこないことを知っておくと役立つかもしれません。

 

 

今回はここまでです。