きょうさい対策ブログ

教員採用試験(教採)の対策をまとめます。教職教養解説もあり。

【神奈川解説58】教育公務員の「研究と修養」=研修について。初任者研修、中堅教諭等資質向上研修は法定研修

教員は教える立場なので、常に勉強に励みましょう!ということで次の条文。

 

教育基本法第9条第1項
 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。

研究と修養=研修のこと、と思ってもらってOKです。教育公務員特例法にもほぼ同じことがかいてあります。

教育公務員特例法第21条
 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。

研修は日常的に行われているもので、1回完結の研修もあれば初任者研修のように1年単位で継続的に行われるものもあります。「神奈川県総合教育センター」のホームページ内に行われている研修が紹介されていますから参考にされるとよいでしょう。種類がたくさんあることがわかるはずです。

 

研修の際の具体的な手続きが書かれているのが次の22条です。

教育公務員特例法第22条第2項
 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。

「授業に支障のない限り」「本属長の承認を受けて」という文言が改変されてダミーの選択肢として登場する場合がありますので、表現に慣れておきましょう。なお、本属長とは多くの場合、校長のことを指します。

 

続いて法定研修として初任者研修、中堅教諭等資質向上研修を紹介します。

教育公務員特例法第23条第1項
 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、その採用の日から一年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(以下「初任者研修」という。)を実施しなければならない。

初任研と呼ばれるものですね。正規採用後にすべての教員が受ける1年間の研修となります。「実践的」という言葉は覚えておくべきでしょう。

 

続いて、これまでの十年経験者研修に代わる、中堅教諭等資質向上研修について。

教育公務員特例法第24条第1項
 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、個々の能力、適性等に応じて、公立の小学校等における教育に関し相当の経験を有し、その教育活動その他の学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るために必要な事項に関する研修(以下「中堅教諭等資質向上研修」という。)を実施しなければならない。

教採受験者にとってはずっと先の話に思えるかもしれませんが、10年研が中堅教諭等資質向上研修に名前が変わったことは一応知っておきましょう。なお、神奈川県では、2年研・5年研・15年研・25年研など初任研・中堅教諭等資質向上研修以外にも独自の研修が設定されています。面接などで尋ねられる可能性もあるので、整理しておくとよいでしょう(「神奈川県総合教育センター」の研修案内のページがよくまとまっています。)

 

最後に、指導力が足りない!という先生向けの「指導改善研修」です。ごく一部の先生にのみ行われるものです。

教育公務員特例法第25条第1項
 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、児童、生徒又は幼児に対する指導が不適切であると認定した教諭等に対して、その能力、適性等に応じて、当該指導の改善を図るために必要な事項に関する研修(以下「指導改善研修」という。)を実施しなければならない。

指導改善研修の後、改善が見られない場合は免職になる可能性もあります。「悪いことしたわけではないけれどあまりに教員に向いていないので」ということで分限処分という形ですね。

 

(演習)

 今回は研修関係、3題扱います。

(演習1)

次の各文は、教育公務員特例法の条文の抜粋である。[ア]〜[エ]にあてはまる語句を選択肢から選べ。(2010年実施49)
(1) 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず[ア]に努めなければならない。
(2) 教員は、[イ]に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。
(3) 公立の小学校等の教員等の任命権者は、当該教諭等(政令で指定する者を除く。)に対して、その採用の日から一年間の教諭の職務の遂行に必要な事項に関する[ウ]な研修を実施しなければならない。
(4) 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、児童、生徒又は幼児に対する[エ]と認定した教諭等に対して、その能力、適性等に応じて、当該指導の改善を図るために必要な事項に関する研修を実施しなければならない。
【アの選択肢】研究と修養、研修と研鑽
【イの選択肢】校務、授業
【ウの選択肢】専門的、実践的
【エの選択肢】指導力が不足している、指導が不適切である

 

(解)[ア]研究と修養 [イ]授業 [ウ]実践的 [エ]指導が不適切である

 

次の問題は2007年が元ネタですが、現在の法律に合わせて表現を改変しています。

(演習2)

次の文は、教育公務員の研修について述べたものである。正しい文を次の①〜⑤の中から二つ選びなさい。
(ア)教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。
(イ)教員は、授業に支障のない限り、任命権者の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。
(ウ)教育公務員は、任命権者の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。
(エ)初任者研修は、職務の遂行に関する基礎的な教養を修得するために行われているものである。
(オ)公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、個々の能力、適性等に応じて、公立の小学校等における教育に関し相当の経験を有し、その教育活動その他の学校運営の円滑かつ効果的な実施において中核的な役割を果たすことが期待される中堅教諭等としての職務を遂行する上で必要とされる資質の向上を図るために必要な事項に関する研修を、本人の希望に応じて、実施することができる。

 

(解)正しいものは(ア)と(ウ)

(イ)研修で許可を得る相手は「任命権者の承認」でなく「本属長の承認」です。

(エ)「基礎的な教養を修得する」のためでなく「実践的な」力を身につけるための研修です。ちょっと難しかったかもしれませんが、消去法でわかればOKです。

(オ)初任研と中堅教諭等資質向上研修は法律で定められた必須の研修ですから本人の希望は関係なく行わなければなりません。

 

(演習3)

次の記述は、教育公務員特例法の条文からの抜粋である。空欄[ ア ]〜[ ウ ]に当てはまるものを選択肢から選べ。(2015年実施47)
第23条 公立の小学校等の教諭等の[ ア ]は、当該教諭等(政令で指定する者を除く。)に対して、その採用の日から[ イ ]の教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(以下「初任者研修」という。)を実施しなければならない。
第23条の3 [ ア ]は、前条第4項の認定において指導の改善が不十分でなお児童等に対する指導を適切に行うことができないと認める教諭等に対して、[ ウ ]その他の必要な措置を講ずるものとする。
【アの選択肢】指導教員、任命権者
【イの選択肢】1年間、6箇月間
【ウの選択肢】懲戒、免職

 

(解)[ア]任命権者 [イ]1年間 [ウ]免職

本人の道義的責任ではなく、能力不足の話ですので[ウ]に懲戒が入ることはないとわかります。

 

 

今回はここまでです。