きょうさい対策ブログ

教員採用試験(教採)の対策をまとめます。教職教養解説もあり。

【神奈川解説61】学習指導要領の変遷、①昭和33年②昭和43年③昭和52年④平成元年⑤平成10年⑥平成20年⑦平成29年の7バージョン

学習指導要領は、告示形式になった昭和33年(1958年)のものから、最近改訂された平成29年(2017年)まで、合計7つのバージョンがあります。神奈川教採では、学習指導要領が告示された直後に、過去の学習指導要領を古い順に並べなさいという問題が出題されやすいです。ということで2018年は指導要領並べ替え問題が出ても大丈夫なように特に注意して対策をしておきましょう。

 

それぞれ小学校の学習指導要領が告示されたときの年と、それぞれのキーワードをあげていきます。

第1次から第3次までの学習指導要領

①昭和33年(1958年)

「道徳の時間の新設」、「系統的な学習を重視」

②昭和43年(1968年)

「教育内容の現代化」

③昭和52年(1977年)

「知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童生徒の育成」、「ゆとりある充実した学校生活を実現」

実は①よりも前、昭和22年から学習指導要領が存在しているのですが、このときは法的拘束力がなくあくまで参考程度、という位置付けでした。この時代の教育は自由な雰囲気がある一方で、教科としての学習内容が定着させきれていないのではないか、という批判があったのです。そこで、系統性をもって教えようということで①昭和33年の改訂へつながります。この①昭和33年の改訂から学習指導要領は法的拘束力をもつようになったのです。

その後、冷戦構造の中、ソ連人工衛星スプートニクアメリカに先立って打ち上げに成功するというスプートニク・ショックがおきます。これに衝撃を受けた西洋諸国は、ソ連に対抗する力をつけるために、教育のレベルを上げようと「教育の現代化」を推し進めます。これが②昭和43年の改訂に繋がっていくのです。

しかし、内容を難しくすることで、落ちこぼれの問題や、学校が窮屈なところになってしまうという問題がおきます。そこで「もう少しゆとりもたせたほうがいいんじゃね」と登場したのが③昭和52年改訂です。よくゆとり教育といいますが、ゆとりという言葉自体はこの時代から登場しているのです。ですからその後も使われる用語である「ゆとり」という言葉で覚えるよりも、③昭和52年改訂は「知・徳・体の調和のとれた」というキーワードで覚える方がよいと思います。

 

第4次改訂から第6次改訂まで

④平成元年(1989年)

「個に応じた指導」「小学校低学年に生活科の新設」「高校で家庭科が男女とも必修」

⑤平成10年(1998年)

「生きる力の育成」「総合的な学習の時間の新設」「高校の情報科新設」

⑥平成20年(2008年)

「言語活動の充実」「小学校高学年に外国語活動を新設」

平成最初の改訂④(平成元年)は

・小学校1,2年の理科社会→生徒の発達段階に合わせ、生活科の新設へ

・高校女子のみの家庭科→男子も

と、今までの科目の内容やその対象者を時代の流れに合わせて統合・変更したものです。

次の改訂⑤(平成10年)は

・総合的な学習の新設

情報科の新設

と時代の流れに合わせて、今までにない科目を新しく作り出しているのが特徴的です。この時期、学習内容が最も少なくなりました。

 

⑥平成20年の改訂はいわゆるゆとり教育と呼ばれる⑤の反動から学習内容が増加します。小学校高学年に外国語活動という名称で英語が導入されました。

 

最新の改訂である⑦平成29年のキーワードは次のようなものが挙げられるでしょう。

⑦平成29年(2017年)

「主体的・対話的で深い学び」「社会に開かれた教育課程」「カリキュラムマネジメントの確立」

 

 主体的・対話的で深い学びというのは従来の答申などでアクティブラーニングと言っていたものです。あまりにキャッチーな横文字だったためか、指導要領に盛り込むのはやめたようです。

 

(演習)

1題どうぞ。

 

(演習1)

次の(ア)〜(オ)は、昭和33年から平成20年までの学習指導要領の5回の改訂の特徴を示したものである。これらを、年代の古い順に並べなさい。

(ア)「調和のとれた人間性の育成」「ゆとりのある学校生活」「個性・能力に応じた教育」

(イ)「道徳教育の徹底」「基礎学力の充実」「科学技術教育の向上」

(ウ)「国際社会に生きる日本人としての自覚」「総合的な学習の時間の創設」「特色ある学校づくり」

(エ)「個性重視」「道徳教育内容の重点化」「生活科の創設」

(オ)「教育内容の現代化、高度化」「系統性の重視」

 

(解)(イ)→(オ)→(ア)→(エ)→(ウ)

(ア)→「調和のとれた人間性」から、③昭和52年改訂です。「ゆとり」という言葉はその後の改訂でも出るものなので、確実に絞り込める用語で特定しましょう。

(イ)→これはぱっと見,現代化が行われた昭和43年か?と迷いますが、選択肢(オ)にはっきり現代化とありますから(イ)が昭和33年、(オ)が昭和43年とわかります。

(ウ)→「国際社会に生きる」とか「特色ある学校づくり」では特定しにくいです。これは「総合的な学習の時代の創設」から⑤平成10年の改訂と特定します。

(エ)→こちらも新しく作った教科から特定するとよいでしょう。「生活科の創設」から④平成元年の改訂です。

 

今回はここまでです。