【易しめ解説25】ブルーナー発見学習、オーズベル有意味受容学習、ブルーム完全習得学習

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既に扱ったものもありますが、個人の学習に力点を置いた教授法について、3点まとめます。

発見学習

発見学習については記事04でも扱っています。むしろそちらの方が詳しく説明しているので、まだの方は是非ご覧ください。

【易しめ解説04】1900年以降の4人。エレン・ケイ、デューイ、ブルーナー、デュルケム – きょうさい対策ブログ

発見学習は、ブルーナーが提唱した教授法です。発見学習は、一般に知識の習得よりは、その過程で問題解決能力を高めることを重要視しています。問題解決の応用力が身につけられる期待の反面、実施に多くの時間が必要になる点がマイナス点として挙げられます。



有意味受容学習

オーズベルは生徒の学習の下地の少ない状態で応用的な学習を扱うことの多い発見学習に批判的でした。そこでオーズベルは、学習にはその前提となる情報を、生徒が持っている知識に結びつけることが大事であると考え有意味受容学習を提唱しました。

有意味受容学習では、受容学習と有意味学習の2つの段階からなります。

(受容学習)…まず教師から教える内容を生徒へ提示します。いわゆる”普通の”一斉授業のイメージです。

(有意味学習)…この段階が重要です。教師から教わったことを、学習者が既知のことに結びつけて「意味づけ」をする段階です。

例えば「三角形の内角の和は180度である」と教員が事実のみを伝えて生徒がふ〜ん、そうなんだ、という状態は受容学習のみが済んだ状態です。まだ生徒の既存の知識とは結びついていません。そのあとの有意味学習で「錯覚と同位角の性質は覚えているかな?その性質を使うと〜」というように既に生徒が知っている内容と結びつけて今回の学習内容を扱うわけです。有意味というのは既存の知識との結びつけ、というように考えてください。



完全習得学習

「ブルーム」は発見学習のブルーナーと似ていますから混ざらないようにしてください(過去に両者を混ぜた出題もあります)。ブルームはすべての子どもに対して学習の成立させるために必要なことを考えた完全習得学習を提唱しました。特徴的なのは、「形成的評価」の重視です。形成的評価とは、学習過程の途中段階での評価のことで、現在の内容がきちんと子どもたちへ定着しているかの確認と、指導の方法を改善するために実施されます。実態に合わせて指導内容や指導方法を修正していくわけです。

(くだらないことではありますが、結構役に立つこともあるので書いておきます。ブルーナー-発見学習、ブルーム-完全習得学習の覚え方。

発見学習で何かを発見したときは、きっと「お〜」と声がでますね?そこで

発見学習→「お〜」と語尾が伸びる→語尾が伸びるブルーナー

と暗記してはどうでしょう。)



(演習)

(演習1)

空欄[ ア ]〜[ ウ ]に当てはまる語句を選択肢から選びなさい。(2015年実施44)
生徒が自分の力で結論を導き出していく学習指導法として、[ ア ]が[ イ ]を提唱した。それとは対照的となる学習指導法を[ ウ ]という。
【アの選択肢】ブルーナー、オーズベル
【イ、ウの選択肢】発見学習、受容学習

(解)

[ア]ブルーナー [イ]発見学習 [ウ]受容学習 [エ]バズ学習

ブルーナーの発見学習とオーズベルの有意味受容学習を対で整理しておくとすんなり解答できるでしょう。

(演習2)

次の各文は、学習指導法に関する説明である。(ア)〜(オ)の中から、正しいものを2つ選べ。(2005年実施39)
(ア)プログラム学習は、ピアジェ(Piaget.J.)によって提唱されたオペラント条件づけの理論に基づいて形成された学習法である。
(イ)プログラム学習は、学習者個々の能力や学習の速度に対応でき、また学習者の反応に対して敏速にフィードバックできるというすぐれた長所をもっている。
(ウ)オーズベル(Ausubel, D.P.)は、講義形式の授業が効果的に実施された際には、学習者の認知構造において学習した内容が選択的に関連づけられる、いわば能動的な過程であるという有意味受容学習を提唱した。
(エ)完全習得学習は、子どもの学習能力に応じて、指導法や指導時間等を改善することで、全学習者を一定の学力水準に到達させることが可能であると、ブルーナー(Bruner, J.S.)によって提唱されたものである。
(オ)ブルーム(Bloom, B.S.)によって提唱された発見学習の長所は、内発的な動機づけを高めるものである。

(解)正しいのは(イ)と(ウ)

(ア)プログラム学習はスキナーですね。

(エ)完全習得学習の提唱者はブルームです。

(オ)発見学習の提唱者はブルーナーです。

今回はここまでです。

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